三菱・パジェロ

パジェロ（PAJERO）

三菱自動車工業が1982年から2021年にかけて生産した四輪駆動のSUVである「パジェロ」。日本のみならず海外市場でも広く知られ、多くの支持を集めたモデルです。本記事ではパジェロの概要や歴史、各モデルについて詳しく紹介します。

概要

パジェロは、三菱・ジープの後継として1982年に登場し、1990年代のRVブームに乗って販売台数を大きく伸ばしました。特に「パリ・ダカールラリー」への参戦を通じてその名を知られるようになり、世界中で高い知名度を誇るようになりました。また、三菱自動車のフラグシップモデルとしても重要な役割を果たしました。すべてのパジェロ車両は岐阜県坂祝町のパジェロ製造で生産され、この町は「パジェロの町」と呼ばれるようになりました。

2019年に日本市場から撤退した後も、パジェロは海外専用車種として多くの国で販売されていましたが、2021年にはその生産が終了しました。これにより、39年にわたるパジェロの歴史が幕を下ろしました。2023年には、初代パジェロが日本自動車殿堂に選出され、その偉業を称えられました。

歴史

パジェロの歴史は、1982年5月に初代が発売されたことから始まります。当初は2.3Lディーゼルエンジンと2.0Lガソリンエンジンが搭載され、様々なバリエーションが展開されました。1983年の東京モーターショーでメタルトップワゴンが追加され、翌年以降はパリ・ダカールラリーへの参戦が始まります。そして1984年には可変ショックアブソーバーを搭載し、技術的にも進化を遂げていきました。

1991年、フルモデルチェンジによる2代目が登場。居住性や動力性能が向上し、スーパーセレクト4WDなどの先進技術が搭載されました。第三世代モデルではラダーフレームとモノコックボディのハイブリッド構造を採用し、優れた操縦安定性を実現しています。売れ行きも順調で、特別仕様車や記念モデルも多く登場しました。

2006年には4代目が登場。高剛性ボディと優れた走行性能を兼ね備え、新たなデザイン要素が取り入れられました。特に、環境対応に配慮したクリーンディーゼルエンジンの採用が注目されました。その後、さまざまな改良が施され、製品の品質と技術は着実に向上していきました。しかし、2016年には燃費データ偽装が発覚し、一時生産が停止されることとなります。

モデル展開

パジェロは初代から4代目まで様々なモデルが展開されており、それぞれの時代において進化を遂げてきました。初代モデルはスタンダードなディーゼル及びガソリンエンジンのラインアップを持ち、各種バリエーションが用意されました。2代目以降は、より充実した装備とエンジンバリエーションが追加され、特にパリ・ダカールラリーでの成功が多くの注目を集めました。

各世代で登場した特別仕様車や限定モデルも多く、これらはパジェロファンの心を掴んできました。また、特装車も多く、特にオフロード走行向けのモデルや、キャンパー仕様、および特殊用途向けの車両も存在しました。これら全てが、パジェロに対する評価を高め、テーマに寄り添った設計理念が試されました。

名称の由来

「PAJERO」は、チリやアルゼンチンのパタゴニア地方に生息するヤマネコ「パジェロキャット」に由来しています。この名前には、野性味と美しさを調和させる願いが込められているとされています。また、スペイン語圏では同名が自慰を示す意味もあるため、モンテロという名称で販売されることが多かったです。

総評

パジェロは、厳しい環境下でも優れた性能を発揮するオフロードSUVとして、一世を風靡しました。その多様なモデル展開と、数々の成功も相まって、自動車史において重要な位置を占める存在とも言えるでしょう。39年にわたるその歴史は、多くの愛好者に愛され続け、今もなおその名を語り継がれています。

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