三菱・マグナ

マグナ（Magna）

マグナは、ミツビシ・モーターズ・オーストラリアが製造・販売した普通乗用車で、4ドアセダンと5ドアステーションワゴンという2つのボディスタイルが特徴的です。このモデルは1985年から2005年までの間、オーストラリアを中心に販売され、多くのユーザーに愛されてきました。

初代 TM/TN/TP型（1985年 - 1993年）

1985年に登場した初代TM型マグナは、当初はセダンのみですが、1987年にはTN型として改良され、これに合わせてステーションワゴンのバージョンも開発されました。それ以来、商業車やカンパニーカーとしても高い人気を誇りました。全体的なデザインは、日本市場で人気のあったギャランΣに似ていますが、オーストラリアの市場ニーズに応えるために車幅は拡幅されています。

初代モデルでは、従来の直列6気筒エンジンではなく、大ボアの直列4気筒エンジンが搭載され、燃費性能はそれほど優れていませんでしたが、コンパクト性は高められていました。

主要なモデルにはGLX、エクゼクティブ、SE、エリートなどがあり、当時のトレンドに合わせたスポーティなエラントやグランド・ツアラーといった限定モデルも登場しました。搭載されていたエンジンは、オーストラリア製の「アストロンII」(4G54)というコードネームの直列4気筒エンジンで、出力は85 kW (114 hp)で、最大トルクは198 N⋅m (146 lb⋅ft)を発揮しました。

車両は、5速マニュアルか、オーバードライブ付きの4速オートマチックトランスミッションから選択できましたが、エリートモデルはオートマチックのみの仕様でした。サスペンションは前輪が独立式のマクファーソン・ストラットで、後輪はコイルばねの3リンク・トーションビームを採用していました。特に豪華版モデルでは、様々な装備が充実しており、運転席の快適性や安全性が重視されていました。

また、初代モデルは様々な品質問題に直面しましたが、1985年度には『Wheels』誌の「カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。後続のTP型ワゴンは、セダンモデルが次世代のTR型に移行した後も販売され、特に日本へ逆輸入されたステーションワゴンが好評を博しました。

2代目 TR/KR/TS/KS型（1991年 - 1996年）

二代目は、シグマの現地生産車として位置づけられ、4気筒エンジンに加え、V6エンジン搭載車も販売されました。この時期、エンジン技術が大きく進化を遂げ、ECI-MULTIやローラーロッカーアームが採用されました。ただし、直列4気筒エンジンの設定は変わらず、ニーズの高かったワゴンモデルは「ディアマンテワゴン」として日本にも輸出されました。

3代目 TE/KE/TF/KF/TH/KH/TJ/KJ/TL/KL/TW/KW型（1996年 - 2005年）

三代目のマグナは、ディアマンテの現地仕様としてリリースされ、特に3500ccのV6エンジンが搭載されるなど、ラインナップが多様化しました。しかし、販売動向により、日本市場でのワゴンは早々に終息を迎えました。2003年には大規模なマイナーチェンジが施され、最終的には2005年にギャラン380に統合されて生産が終了しました。

総括

マグナは、そのスタイリングや多様なモデル展開によって、オーストラリア車市場だけでなく日本市場でも一部の人気を集めました。数十年にわたる歴史の中で、多くの人々に愛され続けたモデルと言えるでしょう。

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