三菱・ランサーセレステ

ランサーセレステ（LANCER CELESTE）

ランサーセレステは、三菱自動車工業が1975年から1982年にかけて生産したクーペ型の乗用車です。この車は、ギャランクーペFTOの後継モデルとして登場し、ランサーシリーズの3ドアファストバッククーペバージョンとして位置付けられました。

歴史的背景

ランサーセレステは1975年2月に市場に登場しました。当初は「セレステ」という名称で販売する予定でしたが、第一次オイルショックの影響により、所管官庁が新型車の追加に対して慎重な姿勢を示したため、やむを得ず「ランサーの派生車種」としての名称が適用されることとなりました。このことは、三菱が市場のニーズに応えるために工夫を凝らした結果の一つです。

デザインは軽快なハッチバックスタイルで、特にボディカラーは「セレステ」の名にふさわしい青や明るい黄色が設定され、発売当初から若者の間で人気を博しました。エンジンは1400ccと1600ccの2種類があり、最上級グレードとして1600GSRが設定されていました。

北米市場では、三菱と提携していたクライスラーによって「プリムス・アロー」として販売されていました。この時期、三菱はフォルテモデルのプリムス仕様「アロートラック」の輸出も開始し、北米における事業の展開に成功していました。

マイナーチェンジ

1976年11月には初のマイナーチェンジを実施し、1600ccエンジンが新たにサイレントシャフト付きのサターン80に進化しました。また、テールランプの形状が逆L字型から一文字型に変更され、フロントグリルやクォーターガーニッシュのデザインも一新されました。この改良に伴い、1600GSRと同等の装備を持つグレード「1600GT」が新たに追加され、さらなる魅力を持ったモデルとなりました。

1977年の11月にも二度目のマイナーチェンジを行い、ヘッドランプを丸型から角型へと変更し、バンパーの形状が大幅に改良されました。これにより、より洗練された印象を与える外観となりました。

さらに、1979年6月には新たに105馬力を発揮する4G52型アストロン80エンジンを搭載した「2000GT」が加わり、パフォーマンス面でも選択肢が増えました。

終焉と後継車

1981年3月にランサーセレステの生産が終了し、その後1982年1月までに販売も終了しました。セレステの後継車となるモデルは「コルディア」であり、ランサーセレステとしての名称は1代限りの存在となりました。

車名の意味

「CELESTE」はラテン語で「青い空」を意味します。この名前には「機能と美を調和させた車」という想いが込められています。このように、ランサーセレステは単なる車であるだけでなく、三菱自動車の独自の美意識と技術を体現したモデルでもありました。

関連項目

• - 三菱・ギャランクーペFTO
• - 三菱・コルディア
• - 三菱・ランサー

このように、ランサーセレステはデザインと性能の両面で、多くのファンに愛された名車でした。

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