三角巾

三角巾について

三角巾（さんかくきん）とは、主に応急処置に利用される布の一種で、外傷の処置や固定に使われます。一般的には、直角二等辺三角形の形をしており、この形状は正方形の布を対角線で一度折ったものであるため、適当なサイズの正方形の布（例えば風呂敷など）でも代わりに使用できます。

サイズと製造

三角巾はさまざまなサイズがあり、薬局やドラッグストア、そしてコンビニエンスストアなどで入手可能です。一般的なものは、綿または綿とポリエステルの混合素材で、短辺が約50cmから1m程度のものが流通しています。日本国内では価格が手頃であるため、多くの家庭では救急箱に未使用のまま保管されていることがよく見られます。

名称と構造

三角巾の名称はその形状から来ており、三角形の頂点を「頂角」、底の角を「底角」、底角間の部分を「端」、頂角と底角の間の部分を「辺」、底角の間を「基底」と呼びます。これらの名称は、使用する際の理解を助ける大切な要素です。

用途

三角巾の使用法には、完全な状態の「全巾」と、小さい範囲に対応する「半巾」があります。

全巾の使い方

全巾を維持したまま使用する場合、以下の目的に利用されます。

• - 被覆包帯: 頭部の創傷や顔の熱傷などに対する応急処置として使われます。
• - 固定包帯（堤肘固定三角巾）: 上腕や前腕の骨折の際に、腕を安全に固定するために全巾を利用します。

腕を骨折した場合、一方の肩に三角巾の端をかけ、曲げた肘に負傷した腕を添えて、余った布を肩にかけた端で縛ります。これにより負傷した腕をしっかりと固定することが可能です。

半巾の使用

全巾の三角巾を半分に折って使う場合には、手のひらや足のような狭い範囲の被覆（被覆包帯）に使用します。

たたみ三角巾

全巾を通して折り畳んだものもあり、これには2つ折り、4つ折り、8つ折りが存在します。この形状は、創傷部を被覆したり、圧迫止血、サポート、固定包帯としても有効です。

• - 被覆包帯: 創傷部位に空気が触れないようにするための処置。
• - 圧迫包帯止血: 出血している傷口に三角巾を用いて清潔な布を重ね続け、出血を抑えます。

特に、頭部の止血にあたる場合は、こめかみを圧迫しつつ、バンダナ風に巻きつけるなどの方法で行います。

注意点

三角巾の利用方法には注意が必要です。特に止血帯としての使用は、適切な締め付けが求められますが、過度な圧迫は患者の状態を悪化させる恐れがあるため、現在では直接圧迫止血法が推奨されています。ですが、30分以上押さえて出血が減った場合は、充て布を重ね、その上から圧迫する方法も存在します。

終わりに

このように、三角巾は応急処置や傷の固定において重要な役割を果たします。家庭に常備しておくことで、万が一の際に備えることができるでしょう。

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