救急箱

救急箱とは

救急箱は、怪我や急病の際に初期対応を行うための医薬品や医療器具をまとめたものです。応急処置に必要な物品をまとめて保管し、持ち運びやすくすることで、緊急時に迅速な対応を可能にします。

概要

救急箱は、設置場所や使用する人によって内容が異なります。一般家庭用、事業所用、医療機関用など、用途に応じた様々な種類の救急箱が存在します。共通しているのは、緊急性の高い症状に対する初期対応を目的としている点です。

外箱は、持ち運びやすいように取っ手が付いていることが多く、木製、金属製、合成樹脂製など様々な材質が用いられます。外装には、緑十字や赤十字のマークが描かれていることが多く、一目で救急箱と認識できるようになっています。内容物は、仕切りによって小分けされており、必要なものをすぐに取り出せるように工夫されています。

救急箱の他に、同様の目的で使用されるものとして「ファーストエイドキット」があります。これは、医薬品や医療器具を袋や鞄に収めたもので、携帯性に優れています。アウトドアなど、限られたスペースで応急処置を行いたい場合に便利です。

医療機関には、可動式の大型救急箱である救急カートが常備されています。救急カートには、気道確保、気管挿管、静脈路確保などに必要な器具や薬剤が搭載されており、緊急時の救命処置に用いられます。

設置義務

一般的な環境では、救急箱の所持は任意ですが、特定の状況下では法令や行政指導によって設置が義務付けられる場合があります。

例えば、航空機内では、医療品一式を収納した救急箱の所持が義務付けられています。また、パトカーや白バイにも救急箱が搭載されており、事故や事件現場での応急処置に役立てられています。

ドイツやオーストリアでは、国内のすべての車両に救急箱の所持が義務付けられています。インドの法令では、請負労働を行う際に、請負人が救急箱を利用できる状態で所持することが義務付けられています。

一般的な内容

救急箱に収められている物品は、メーカーや用途によって異なりますが、一般的には以下のものが含まれています。

医薬品：風邪薬、鎮痛剤、下痢止め、外傷薬（軟膏）、殺菌剤（消毒薬）、湿布、抗ヒスタミン薬軟膏
処置用材料：包帯、止血帯、清浄綿、カットコットン、脱脂綿、絆創膏、三角巾、ガーゼ、綿棒、サージカルテープ
処置用器具：ピンセット、はさみ、毛抜き（とげ抜き）、爪切り、体温計、マスク、手袋、安全ピン、ペンライト
その他：応急処置の手引、ボールペン、メモ帳

注意点

救急箱の中身は、定期的に点検し、使用期限切れの医薬品や劣化した物品は交換する必要があります。医薬品は、熱に弱く変質しやすいので、冷暗所に保管するようにしましょう。

関連項目

配置販売業（置き薬）
防災非常袋
メディシン・キャビネット

外部リンク

くすりの救急箱 震災対策編 - 東京都健康安全研究センター

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