三重県立四日市商業高等学校

三重県立四日市商業高等学校は、三重県四日市市尾平町に位置する公立の商業高等学校です。通称「泗商（ししょう）」として地域に親しまれています。学校側は「泗商」と表記しており、これは「泗水」に由来すると考えられています。1961年に竣工した本館は、関西モダニズム建築を代表する富家宏泰氏が設計を手掛けました。

学校の特徴

泗商は、運動部が活発で、県内全域から生徒が集まるのが特徴です。商業科と情報処理科があり、それぞれの専門性を高める教育が行われています。商業科の定員は1学年200名、情報処理科は40名です。かつては商業科315名、情報処理科90名という時代もありましたが、現在は縮小されています。商業高校という性質上、男子生徒は非常に少なく、全体の約5%程度です。

挨拶を重視する校風で、来校者は生徒たちの元気な挨拶に驚かされるほどです。校則は厳しく、毎月頭髪・服装検査が実施され、違反した場合は処罰されます。アルバイトは原則として長期休暇中のみ許可されています。

「文武両道」を掲げており、部活動も盛んですが、資格取得を重視する傾向があり、資格試験に合格しないと進級できない場合もあります。情報処理科では、国家資格である基本情報技術者試験（FE）の午前科目免除制度の認定校となっています。

制服

2023年に制服がリニューアルされ、男女ともに茶色のブレザーとなりました。ネクタイまたはリボンを着用し、ズボンまたはスカートを選べます。ジェンダーフリーに対応しており、男女の指定はありません。夏服はポロシャツです。以前は、女子生徒はボレロとジャンパースカートの組み合わせで、伝統的な茶色の制服が採用されていました。ブラウスにはリボンがついており、夏服は半袖ベージュのリボンタイ一体型（リボンタイには茶色の2本線）、冬服は長袖ベージュのリボンタイ一体型ブラウスに茶色のボタン型カフスとプリーツジャンパースカート、ボレロ型のジャケットを着用していました。男子は、かつてはファスナーのような学生服でしたが、1990年頃に一般的な学生服に変更されました。

沿革

1896年 - 四日市商業高校（私立）が設立。
1897年 - 市立四日市商業学校となる。
1904年 - 三重県立四日市商業学校として県立に移管。
1908年 - 校章を制定。
1929年 - 校歌を制定（作詞：三谷為三、作曲：中山晋平）。
1945年 - 戦火により校舎が焼失。
1946年 - 塩浜元海軍燃料廠庁舎跡へ移転。
1948年 - 三重県四日市実業高等学校となる。
1949年 - 三重県四日市高等学校となる。
1950年 - 三重県四日市商業高等学校（県立の単独商業高校）として再出発。
1955年 - 三重県立四日市商業高等学校と改称。
1963年 - 現在の尾平町に新校舎が竣工。
1972年 - 情報処理科を設置。
1993年 - 国際関係科を設置。
2008年 - 国際関係科を閉科。

教育組織

商業科: A～E組（定員200名）。1年次は簿記、情報、英語、商業流通を幅広く学び、2年次からは会計ビジネスコース、情報ビジネスコース、流通ビジネスコースを選択できます。3年次には再度コースを選択できます。
情報マネジメント科: F組（定員40名）。情報処理を中心とした授業が多く、国家資格取得も目指せます。2年次には情報マネジメントコース、情報システムコース、情報アドミニコースに分かれ、専門性を深めます。
国際関係科: H組（定員40名）は2005年度に募集停止となりました。

教育目標

校訓は「至誠」です。責任を全うする誠意、勤労に励む努力、真理と正義を追求する信念を持つ人材育成を目標としています。

学校行事

体育祭: 1日間開催されます。
文化祭: 3日間開催され、一般公開はされていません。1日目と2日目は体育館で舞台発表、3日目は中庭での模擬店や教室での企画、体育館での有志発表が行われます。文化祭の2日目にはお笑いライブが行われ、毎年人気芸人が多数出演しています。

生徒会活動・部活動

ギターマンドリン部、硬式テニス部、陸上部、バスケットボール部、バトン部、ワープロ部、簿記部、ITC部、珠算・電卓部など、多くの部活動が全国大会や東海大会に出場しています。

通学手段

近鉄四日市駅西口から三重交通バスで約1分、近鉄湯の山線伊勢松本駅から徒歩約25分です。学校前の道路は急な坂道になっているので注意が必要です。

出身著名人

実業家: 井島茂作、五島慶太、平田佐十郎、平田佐貞、宗村佐信、岡田惣一郎など。
文化人: 藤本幸太郎、平田佐貞など。
* スポーツ選手: 小林阿古、伊藤四郎、園田奈緒、北川愛理など。

三重県立四日市商業高等学校は、商業教育の伝統を守りながら、変化する社会に対応できる人材育成に力を注いでいます。

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