上之郷駅

上之郷駅について

上之郷駅（かみのごうえき）は、三重県志摩市磯部町にある近畿日本鉄道（近鉄）志摩線の駅です。この駅は、かつて志摩磯部駅と名乗っていた歴史を持ち、駅番号はM87に設定されています。

歴史

上之郷駅の歴史は1929年にさかのぼります。この年の7月23日、志摩電気鉄道によって鳥羽から真珠港間の鉄道路線が開通し、志摩磯部駅（初代）として旅客輸送を開始しました。1935年には駅舎が新たに建設され、1944年には他の鉄道会社と合併し、三重交通志摩線の駅となりました。1953年には急行列車が当駅に停車するようになり、1960年には当時の運行本数が上り下り共に一定数存在しました。

1964年には三重交通が鉄道事業を分離譲渡し、三重電気鉄道の駅となります。1965年には近畿日本鉄道の駅へと移行し、1970年には標準軌化工事を終え、上之郷駅として営業を再開しました。この際、駅は無人駅となり、1975年には再び行き違い設備が設置されました。1993年には近隣区間が複線化され、2015年にはPiTaPaが導入されました。

駅構造

上之郷駅は地上に位置する島式ホームを持つ1面2線の駅です。この駅は鳥羽方が複線、賢島方が単線の行違い可能な構造になっています。ホームの有効長は2両で、現在は駅舎が存在しません。直接踏切からホームへアクセスする形状になっています。かつて志摩磯部駅と呼ばれていた頃の駅舎は、特徴的なこげ茶色の三角屋根を有し、地元の象徴的な建物でした。狭軌時代には2面2線の構造でしたが、改軌を経て現在の形になりました。

無人駅であるため、鳥羽駅が管理を行っており、ワンマン運転が導入されている普通列車は、乗車位置を限定して運行されています。交通系ICカードの導入により全ドアが開くようになり、自動券売機や自動改札機は設置されていないものの、乗車駅証明書発行機が配置されており、ICカードの専用改札機も用意されています。過去には駅員が配置されていた時期もありました。

利用状況

開業当初は地域の交通の中心として多くの利用者がありましたが、バスが近隣駅に移設された影響で次第に利用者が減少しました。1970年には志摩磯部駅の名を迫間駅に譲り、上之郷駅と改称されました。最近のデータによると、2000年代後半の1日の乗降客数は約100人であり、主に伊勢市や鳥羽市の高等学校に通う生徒が利用するとされています。朝や夕方の通学時間帯は賑わいがありますが、日中は比較的静かな状況です。

駅周辺

以前は志摩磯部駅の名のもと、南勢町からの路線バスが発着しており、駅前には飲食店が並び賑やかでした。現在も周辺には伊雑宮や国道167号、三重県道47号が通っています。地元の鰻料理店や武道場などの文化財も存在し、地域の魅力を感じさせる場所となっています。

隣の駅

近畿日本鉄道の志摩線では、上之郷駅は沓掛駅（M86）と志摩磯部駅（M88）に挟まれ、地域交通の一部を担っています。

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