上侍塚古墳

上侍塚古墳の詳細

上侍塚古墳は、栃木県大田原市湯津上に位置する大型の前方後方墳で、古墳時代の貴重な遺跡として知られています。江戸時代の元禄5年（1692年）に、徳川光圀の指示により行われた発掘調査は、古墳における日本初の学術的な取り組みとされており、考古学の歴史においても重要な位置を占めています。さらに、この古墳は下侍塚古墳とともに国の史跡として保護されており、2021年度からは新たな発掘調査が行われています。

概要

この古墳は、那珂川の右岸に築かれ、前方後方形の独特の形状を持っています。前方部が南を向いており、墳丘の全長は114メートルにも及びます。これは那須地方で最大の前方後方墳です。古墳の特徴として周囲には幅20メートルの周溝が存在し、墳丘自体は葺石で覆われています。

発掘調査と出土品

1692年の発掘調査では、多数の副葬品が出土しました。主な出土品には、捩文鏡や管玉、鉄製品、土器などが含まれています。特に、鉄鏃や甲冑片、鉄刀片など戦闘具が多数発見されており、当時の Burial customs を知る上で貴重な資料となっています。

築造時期と文化的重要性

築造時期は4世紀末頃と推定されており、古墳時代中期にあたります。そのため、上侍塚古墳は古代社会の成り立ちや文化の変遷を探る上で重要な遺跡といえます。また、江戸時代の発掘調査後には文化財保護のために松が植えられるなど、古墳の保存にも力を入れられてきました。1951年に国の史跡に指定され、今でもその歴史を伝え続けています。

上侍塚北古墳

上侍塚古墳の北側には、上侍塚北古墳が存在します。この古墳も前方後方形ですが、発掘調査は未実施のため、詳細は不明です。現存する墳丘は大きく削平されているものの、その歴史的な背景からも興味深い存在とされています。

文化財と関連施設

上侍塚古墳は国の史跡として重要視されており、関連する施設として大田原市にある「なす風土記の丘湯津上資料館」があります。ここでは地域の歴史や古墳についての資料が展示されており、訪れる人々に古代の文化を伝えています。

このように、上侍塚古墳は栃木県における貴重な歴史的資産であり、古代社会を探る重要な手がかりを提供している遺跡であり、今後の発掘調査や研究によって新たな知見が得られることが期待されています。

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