上分町

上分町の概要

上分町（かみぶんちょう）は、かつて愛媛県東予地方、宇摩郡に位置していた町です。1913年（大正2年）1月1日に上分村が町制を施行し、上分町となりました。しかし、1954年（昭和29年）に川之江町、妻鳥村、金生町、川滝村、金田村との合併により川之江市が誕生し、自治体としての歴史を閉じました。その後、川之江市は平成の大合併を経て四国中央市となり、現在に至っています。

上分町は、現在の四国中央市の東部、法皇山脈の北麓に位置しています。この地域は、豊かな自然に恵まれており、山々と川が織りなす美しい景観が特徴です。

地理

上分町の地理的な特徴として、金生川の存在が挙げられます。金生川は西から町に流れ込み、そこで向きを北に変えて、金生村下分へと流れていきます。この川の左岸には、土佐や阿波へと通じる重要な街道がありました。この街道は、人や物資の往来を促し、町の発展に大きく貢献しました。

河川

金生川

村名の由来

上分町の名前は、文字通り「川の上の方」という意味に由来しています。このシンプルな名前は、町の地理的な位置を如実に表しています。

歴史

江戸時代

上分町を含むこの地域は、江戸時代には支配者がめまぐるしく変わりました。初めは松山藩領でしたが、その後、一柳氏領、幕府領、松山藩預かり、そして西条藩領と、短期間のうちに支配者が変わるという歴史を辿りました。このことは、この地域が政治的に重要な場所であったことを示唆しています。

明治以降

明治時代に入ると、上分町では大きな出来事がありました。1895年（明治28年）には、郡役所や警察署が三島に移転することが決定されました。これに対し、上分村と川之江村の住民は反対運動を起こし、警察官が出動する騒ぎにまで発展しました。この事件は、地域の住民にとって、自分たちの地域の存続が左右されるほどの大きな出来事であり、最終的には両村の役員が引責辞任する事態となりました。

村の沿革

1889年（明治22年）12月15日：町村制施行により、上分村が宇摩郡上分村として発足。
1913年（大正2年）1月1日：上分村が町制を施行し、上分町となる。
1954年（昭和29年）11月1日：川之江町、妻鳥村、上分町、金生町、川滝村、金田村が合併し、川之江市が発足。

上分村・上分町の系譜は以下の通りです。

（町村制実施以前の村）　（明治期）　　　　　　　（昭和の合併）　（平成の合併）
町村制施行時
い
上分　━━━━━━━━上分村━━━━上分町━━━━┓
┃昭和29年11月1日
┃合併・市制施行
あ え ┃
川之江村━川之江町━┳━━━╋川之江市━┓
二名村━━━━━━━┛ ┃ ┃
妻鳥村━━━━━━━━━━━┫ ┃
う ┃
金生村━━━━━━金生町━━┫ ┃
川滝村━━━━━━━━━━━┫ ┃
金田村━━━━━━━━━━━┛ ┃
┃平成16年4月1日
┃新設合併
┣四国中央市
伊予三島市━━━━━━┫
新宮村━━━━━━━━┫
土居町━━━━━━━━┛


あ – 明治31年12月21日 川之江村が町制施行、川之江町に
い – 大正2年1月1日 上分村が町制施行し、上分町に
う – 昭和23年4月1日 金生村が町制施行し、金生町に
え – 昭和29年3月31日 川之江町が二名村を編入

（注記）
上分村以外の合併以前の系譜はそれぞれの市町村の記事を参照のこと。

地域

上分町は、1つの村で1つの旧村を形成していたため、大字はありません。昭和の合併により川之江市になった際に、「上分町」という名称が用いられるようになりました。さらに、平成の合併で四国中央市となると、「川之江市」を「四国中央市」に置き換えて使用されています。

例：
川之江市上分町
四国中央市上分町

産業

上分町は、土佐や阿波に通じる街道沿いに位置していたため、江戸時代から商業が栄えていました。また、工業用水の確保が課題でしたが、銅山川からの導水によりほぼ解決し、昭和30年代以降には、製紙工場や紙加工工場の立地が進みました。さらに、南の山麓では、米作や柑橘類の栽培などの農業も営まれています。

交通

上分町には鉄道は通っておらず、最寄りの駅は川之江駅です。

国道

国道192号

関連項目

愛媛県の廃止市町村一覧

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