上原元将

上原元将の生涯

上原元将（うえはら もとすけ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した日本の武将です。出身は備後国世羅郡甲山で、父は上原豊将です。元将は毛利氏に仕え、毛利元就の娘、芳林春香を妻に迎えることで一族として重要な地位を得ました。婚姻の具体的な時期は不明ですが、少なくとも元亀元年（1570年）にはその関係が成立していました。

毛利家の一員としての活動

元将は、天文22年（1553年）に父が毛利元就に従い功を立てたことから、その名声に伴って毛利家に迎え入れられました。天正2年（1574年）には、毛利方として備中の国吉城攻撃に参加しました。この戦闘では、元将が率いる軍が敵兵を討ち取るという活躍を見せました。特に、彼は305人の敵兵のうちの3人を自ら討ち取るという成果を上げました。

翌年、元将は周防国玖珂郡にあった80石の土地を他の武将に売却し、その後も毛利氏の戦闘に従軍しました。1579年には宇喜多直家が毛利氏に反旗を翻す事態が発生し、毛利軍によって忍山城を攻撃、宇喜多氏の勢力を退けることに成功しました。この時、元将も備中国賀陽郡の防備強化に貢献、日幡城に配属されました。

離反とその後の運命

しかし、天正10年（1582年）になると状況は一変しました。織田家の羽柴秀吉が備中を攻撃し始め、日幡城は攻撃を受けます。元将は毛利家の未来に悲観的になり、秀吉の誘いに乗って織田家に寝返る決断を下しました。その後、元将は日幡城を宇喜多軍に明け渡し、毛利家を裏切ったことになります。

その離反に際し、元将は日幡城の二の丸を守る日幡景親を討ち取ったものの、毛利家はすぐに対応を取らざるを得なくなりました。吉川元春や小早川隆景が急遽日幡城を攻撃し、元将の寝返りの情報が広がると、毛利氏内にも混乱が生じました。結局、日幡城はすぐに陥落し、元将は城を脱出して秀吉の下へと逃れました。

逃亡後、元将は秀吉に1000石を与えられ、戦国時代の荒波の中で新たな立場を得ましたが、その後の詳細な動向は不明です。1584年には客死したとされています。

元将の影響と評価

上原元将の生涯は、彼の忠誠心や選択が、毛利氏の内部に大きな波紋を広げたことを示しています。彼の行動は、戦国時代の複雑な武士の loyalityを象徴するものであり、彼自身の待遇は後の時代の武将たちに対しても影響を及ぼしました。

もう一度検索