上原六郎

上原六郎：札幌の戦後復興を支えた官僚

上原六郎（1894年11月30日 - 1964年2月3日）は、日本の地方官僚、政治家です。札幌市長、札幌観光協会長を歴任し、正四位、勲三等瑞宝章を受章しました。

来歴

上原六郎は、現在の札幌市豊平区平岸にあったリンゴ農家を営む家庭に生まれました。北海道庁に勤務した後、内務省に出向し、日本大学法科で法律を学びました。1920年に大学を卒業後、帝都復興院の事務官となり、主計課長、理事などを歴任しました。

1937年には東京市収入役、1939年には同市市民局長、1940年には総務局長に就任するなど、東京市で要職を歴任しました。そして、1945年8月14日に札幌市長に就任し、1946年11月12日に退任しました。上原六郎は、札幌市最後の官選市長として、戦後の札幌復興の基礎を築きました。

札幌市長としての功績

上原六郎は、東京市での経験を活かし、戦後の札幌復興に尽力しました。特に、東京市時代の部下であった原田與作（のち札幌市長）を助役に抜擢したり、板垣武四などの幹部候補を含む若手職員を積極的に採用するなど、人事面における機構改革は注目に値します。これらの改革は、その後の札幌市政に大きな影響を与えました。

その他、札幌観光協会の会長や地方財政審議会委員なども務め、多方面で活躍しました。

親族

上原六郎の父は信州出身の林檎園主で、豊平町の収入役も務めた上原喜六です。母・富久の父・福井伊織は旧会津藩士（社家）で、豊岡宮の神官を務めました。福井伊織の妻（冨久の母）・冨貴は旧会津藩士・雑賀重村の姉です。福井伊織の六男（冨久の兄）・重吉の長男が、陸軍軍人・福井重記であり、上原六郎の従兄にあたります。

略歴

1945年8月14日：札幌市長に就任
1946年11月12日：札幌市長を退任

栄典

1930年（昭和5年）12月5日 - 帝都復興記念章

上原六郎は、激動の時代に札幌の発展に貢献した人物として、その功績は永く語り継がれることでしょう。

参考文献

札幌市史
新札幌市史
歴代知事編纂会編『日本の歴代市長』（第1巻）歴代知事編纂会、1983年。
山鼻屯田兵　初代とその子孫たち」山鼻記念碑保存資産、1996年
郷土史豊平地区の140年　1857～1997」豊平地区郷土史発行委員会、1997年

もう一度検索