上国

上国（じょうこく、じょうごく）とは

律令制における地方行政区画の等級区分の一つです。

概要

律令制が布かれた時代に定められた、中央集権的な統治制度における地方行政区画の区分です。朝廷は中央集権体制を確立するため、地方の諸国を政治力、経済力、土地面積、人口などの国力によって四等級に分けました。上国はその中で上から二番目の位に位置づけられています。

等級区分の明確な基準は現代においては、つまびらかではありません。しかし、国の等級区分によって、派遣される国司の官位等級に差が設けられていました。これは、中央政府が地方を統制する上で、各国の重要度に応じて人材を配置する意図があったと考えられます。

延喜式による上国の一覧

『延喜式』によれば、上国に分類される国は以下の35ヶ国です。

陸奥国
常陸国
上総国
武蔵国
越後国
信濃国
駿河国
尾張国
近江国
丹波国
播磨国
備前国
備後国
伊予国
筑前国
豊前国
肥後国
出羽国
下総国
上野国
越中国
甲斐国
遠江国
美濃国
若狭国
丹後国
美作国
安芸国
讃岐国
豊後国
肥前国
加賀国
伯耆国
和泉国
能登国

これらの国々は、当時の政治・経済において重要な役割を担っていたと考えられます。それぞれの国が、中央政府との関係や地域における影響力など、独自の歴史を持っています。

関連項目

国司：地方行政を担った官僚。
延喜式：律令の施行細則をまとめた法典。
国力による分類：
大国：最も上位の国。
上国：上位から二番目の国。
中国：中位の国。
下国：最も下位の国。
畿内からの距離による分類：
近国：畿内（首都圏）に近い国。
中国：畿内からの距離が中程度の国。
遠国：畿内から遠い国。


上国という区分は、律令制における地方統治のあり方を理解する上で重要な要素の一つです。各国の国力や地理的な条件を考慮した上で、中央政府がどのように地方を管理・統制していたのかを知ることができます。

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