上大島駅

上大島駅について

上大島駅（かみおおしまえき）は茨城県筑波郡筑波町に位置していた筑波鉄道筑波線の廃駅です。この駅は1987年に廃止されましたが、その歴史や周囲の環境については多くの興味深い点があります。

歴史的背景

上大島駅の起源は1915年に遡ります。当初は「椎尾停車場」として計画されていましたが、他の停車場との名称の混同を避けるため、最終的には「上大島」という名称に決定しました。このように、駅名が変更された背後には様々な事情がありました。

1918年には、筑波鉄道の駅として開業しましたが、当初は車両不足のため、筑波 - 岩瀬間は休止状態でした。その後、同年の6月に筑波 - 真壁間が営業を開始し、徐々に利用者が増えていきました。

1950年代から60年代にかけての鉄道会社の合併や運営変更を経て、最終的には筑波鉄道の駅としての機能を果たしましたが、1981年には貨物営業を廃止し、1987年4月には廃止されてしまいました。

駅の構造と設備

上大島駅は相対式ホームを持つ地上駅であり、2面2線の構造を持っていました。駅本屋は上りホームに位置し、かつては貨物の取り扱いも行われていました。貨物側線は駅本屋の南側に存在しており、土浦方面から本線へと合流する形になっていました。

駅周辺の環境

駅周辺には上大島郵便局や上大島工業団地、茨城県道14号下館筑波線などが存在しました。廃止前日は、これらの施設が地域の人々にとって重要な役割を果たしていました。駅の廃止後も「上大島駅」の名は、関東鉄道のバス路線の停留所名としてしばらく残りましたが、2008年の路線廃止により消滅しました。

駅跡については、2011年まで関東鉄道筑波真壁線の停留所が存在しましたが、その後上大島地区では交通機関がない状態が続きました。2017年には筑西市広域連携バスが地域に停留所を設け、翌年には桜川市バスも運行を開始し、交通の便が改善されました。2020年代には新たなバス路線も追加され、地域の交通インフラが再生されつつあります。

現在の状況

現在、駅跡地には民家が建ち、かつての駅舎は取り壊されています。ホームの名残はわずかながら石積に見られ、周囲の歩道より一段高くなっている部分がその証拠です。また、駅周辺には大衆食堂や昔ながらの看板建築が残っており、駅前の商業活動の名残をうかがうことができます。

このように、上大島駅はただの廃駅にとどまらず、地域の歴史や人々の生活に深く結びついていたことがわかります。今後もこの地の交通環境や歴史を大切にしていくことが求められています。

もう一度検索