上封寺

上封寺（じょうふうじ）は、中華人民共和国湖南省衡陽市南嶽区に位置する仏教寺院です。その歴史は古く、隋代に遡ります。

歴史

上封寺は、隋の大業年間（605年-618年）に創建されました。この時、「上封寺」という名が与えられたと伝えられています。

唐代末期には、詩僧として知られる斉己が上封寺に住み、詩作に励みました。彼の存在は、寺の文化的な価値を高める一因となりました。

明代の嘉靖年間（1522年-1566年）には、寺の再建が行われました。この際、天王殿と四大天王像は、従来通りに復元されることが求められました。これは、寺の伝統を重んじる姿勢を示すものです。

清代には、康熙年間（1662年-1722年）に湖南巡撫の周召南が高僧である異目を招き、方丈として迎えました。異目の下、寺は大規模な修復を受け、四進両廊を備えた壮大な仏寺として再建されました。この様子は、清の『南嶽志』にも記録されています。

同治年間（1862年-1874年）には、曽国荃が中心となり、資金を調達して寺院が再建されました。曽国荃の尽力により、寺は再びその姿を取り戻しました。

中華民国時代に入ると、二十一年（1932年）に湖南省政府主席の何鍵が宝生を招き、住職としました。宝生は、天王殿、大雄殿、祖堂、禅堂、斎堂、寮房などの建物を修復し、寺の維持に貢献しました。

しかし、文化大革命の時代には、紅衛兵によって寺廟などの宗教施設が徹底的に破壊されました。上封寺もその例外ではなく、大きな被害を受けました。

1983年、中華人民共和国国務院は上封寺を漢族地区仏教全国重点寺院に認定しました。この認定は、寺の歴史的・文化的な重要性を改めて示すものです。

1987年には大規模な再建が行われ、現在の寺の基礎が築かれました。この再建により、上封寺は再び信仰の場として、その役割を果たすことができるようになりました。

伽藍

上封寺の伽藍は、以下の主要な建物で構成されています。

山門
大雄宝殿（本堂）
天王殿
記法堂
蔵経楼
観音殿
* 弥陀殿

これらの建物は、それぞれが独自の役割を持ち、寺全体の調和を保っています。

文学

唐代の詩僧、斉己は上封寺に滞在した際に多くの詩を残しました。彼の作品は、寺の風景や心情を豊かに表現しており、今もなお多くの人々に愛されています。

また、畢田も上封寺を題材とした詩を詠んでいます。彼の作品もまた、寺の魅力を伝える貴重な資料となっています。

まとめ

上封寺は、隋代の創建から現代に至るまで、幾多の変遷を経てきた歴史ある寺院です。文化大革命による破壊を乗り越え、再建された現在の姿は、多くの人々に心の安らぎを与えています。その伽藍や文学作品は、寺の豊かな文化を物語っており、訪れる人々を魅了し続けています。

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