上州板垣氏

上州板垣氏の歴史と人物

上州板垣氏（じょうしゅういたがきし）は、甲斐源氏および武田氏に起源を持つ家系で、特に板垣信方の三男である所左衛門信廣を初代としています。彼らの家紋は「丸に五本骨扇」で、地域で認知されている象徴です。

初代板垣信廣の人生

板垣信廣は、武田信玄の重臣である板垣信方の子として生を受けました。信廣の通称は所左衛門です。残念ながら、彼に関する軍記や文献には多くの業績は記載されておらず、主だった武功はなかったと考えられています。

信广は天文17年（1548年）、父・信方が上田原の戦いで戦死した後、新田源氏の末裔である林伊賀守の家に身を寄せ、一時的に彼の家老に就任しました。しかし、後に辞職し、佐位郡下植木村に移り住んで役人としての生活を始めます。このように、信廣は激動の時代を生き抜き、地域社会に根付いた生き方を選びました。

江戸時代における上州板垣氏

江戸時代に入ると、板垣氏の子孫は伊勢崎藩に仕官し、村の役人として活動を続けました。安政2年（1855年）の寄場役人書上帳には、板垣彦七の名前が記されています。彦七は文化8年（1811年）に名主に就任し、その年に設立された郷学・正誼堂の共同発起人の一人でもありました。

その後も彦七の子孫は世代を重ね、文政13年（1830年）に林右衛門、天保2年（1831年）に宅右衛門、同9年（1838年）には政右衛門が名主を務めました。このように、上州板垣氏は地域の発展に寄与し続けたのです。

幕末には、分家筋の板垣直吉が伊勢崎藩士に名を連ね、文久元年（1861年）の和宮降嫁に際しては、直系の弥助兼信が警護として任命されました。

明治以降の板垣家

明治期に入ると、板垣氏はさらに地域において活躍します。大正時代には、初代板垣清平が伊勢崎町で製糸業を展開し、群馬県内の織物文化を支える存在となりました。さらに、彼は父の遺志を受け継ぎ、図書館やプールの建設に資金を寄付しました。これにより、地域の文化的な発展に貢献しています。

1937年、板垣源四郎は伊勢崎町長に就任しますが、町議会の混乱を理由にわずか10日で辞職。しかし1940年には伊勢崎市が発足する際に初代市長に就任しました。彼は戦時中の困難な状況にもかかわらず、1期目を全うし、その後も市議会に復帰します。

上州板垣氏の系譜

上州板垣氏に名を連ねる人物には、初代板垣清平（1855年 - 1935年）、その長男で大政翼賛会群馬県支部の常務委員を務めた板垣清平（1902年 - ?）、茨城県立龍ヶ崎中学校の校長を務めた板垣源次郎（1866年 - 1923年）などがいます。

また、初代市長である板垣源四郎（1883年 - 1957年）や、その兄弟、子孫も数多くの地域活動に寄与し、板垣氏の名を今日まで残しています。現在でも、板垣栄作（1911年 - 1990年）など、上州板垣氏の血筋は伊勢崎市議会での活動を通じ、地域に根付いた存在感を放っています。

まとめ

上州板垣氏は、代々にわたり地域社会に貢献し、家系の名を広めてきた歴史ある一族です。江戸時代から現在に至るまで、その影響力は様々な形で現れています。

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