板垣信方

板垣信方：武田家を支えた勇将

板垣信方（いたがき のぶかた）は、戦国時代に武田家に仕えた武将です。武田信虎、晴信（後の信玄）の二代にわたり、その武勇と忠誠心で重用されました。武田二十四将、武田四天王の一人として数えられ、武田家を代表する名将として知られています。

生涯

信方は、武田家の宿老として信虎の時代から活躍し、嫡男である晴信の傅役も務めました。天文9年（1540年）の信虎による信濃侵攻では、敵城を次々と落とすなどの戦功をあげています。信方の本拠は甲斐国、現在の山梨県甲州市塩山下於曽にあったとされ、その地の所領を寺院に寄進した記録も残っています。

1541年、信虎が晴信によって追放されると、信方は武田家臣団の筆頭格となります。晴信が家督を継ぐと、信方は甘利虎泰と共に武田家最高職である「両職」に任じられました。

諏訪[[郡]]代としての活躍

1542年、晴信は諏訪頼重を降伏させ、自害させました。その後、諏訪氏の惣領職を望む高遠頼継が挙兵すると、信方は先陣として出陣し、頼継を打ち破りました。1543年には、諏訪[[郡]]代（上原城代）に任じられ、諏訪地域の統治を任されました。この時、信方は諏訪・佐久両郡において所領の宛行いを行っています。

信方は、諏訪[[郡]]代として上原城を拠点に、諏訪地域の支配を安定させることに尽力しました。1545年には、高遠頼継を滅ぼし、藤沢頼親も降伏させ、武田氏の信濃侵攻に大きく貢献しました。

1547年には、佐久[[郡]]の志賀城を包囲し、関東管領上杉憲政の援軍を撃退し、佐久[[郡]]を平定しました。この時、信方は小田井原の戦いで大勝し、武田軍の威勢を示しました。

最期

信方は、武田家への忠誠心と戦場での勇猛さで知られていましたが、晩年は増長するような面もあったようです。信玄から諫めの歌を送られたという逸話も残っています。

1548年、信方は村上義清との上田原の戦いで、先陣を務めましたが、村上勢の反撃を受け、甘利虎泰、才間河内守、初鹿伝右衛門と共に討ち死にしました。享年不詳。信方の死は、武田軍にとって大きな痛手となりました。

死後

信方の死後、家督は嫡男の信憲が継ぎましたが、不行跡のため武田家から追放され、後に誅殺されています。これにより、板垣家の嫡流は一時断絶しましたが、翌年、信方の娘婿である於曾氏の信安が武田信玄の命を受けて板垣氏を再興しました。この家系は、後に真田昌幸に仕え、加賀藩士となりました。

また、信憲の子孫からは、幕末に活躍した板垣退助が出ています。信方の血筋は、時代を超えて受け継がれ、日本の歴史にその名を刻んでいます。

逸話と人物像

信方は、武田家の中でも特に武勇に優れた武将として知られています。信虎の時代から信玄の時代まで、常に最前線で戦い、数々の戦功をあげました。また、信玄からの信頼も厚く、諏訪[[郡]]代という重要な役職を任されています。

信方は、武将としての武勇だけでなく、教養も備えていたとされ、和歌を詠むこともあったようです。

系譜

父：板垣信泰
母：某氏（1543年8月23日没）
本人：板垣信方
長男：板垣信憲（改易）
孫：板垣正信
子孫：板垣退助
二男：酒依昌光
三男：板垣信廣
娘婿：板垣信安（嫡流継承）
弟：室住虎登

板垣信方に所縁の地

上原城（長野県茅野市）- かつての居館跡は「板垣平」と呼ばれる。
板垣信方屋敷（山梨県甲府市）
上田原古戦場（長野県上田市）
板垣神社（長野県上田市）

関連作品

信方を題材とした映画やテレビドラマ、舞台作品が多数制作されています。

映画『風林火山』（1969年、演：中村翫右衛門）
テレビドラマ『天と地と』（1969年、演：大友柳太朗）
テレビドラマ『武田信玄』（1988年、演：菅原文太）
テレビドラマ『武田信玄』（1991年、演：若林豪）
テレビドラマ『風林火山』（1992年、演：夏八木勲）
テレビドラマ『風林火山』（2006年、演：夏八木勲）
テレビドラマ『風林火山』（2007年、演：千葉真一）
舞台『風林火山』（2008年、演：千葉真一）
* 舞台『歳が暮れ・るYO 明治座大合戦祭』（2018年、演：中村龍介）

まとめ

板垣信方は、戦国時代に武田家を支えた勇将であり、その武勇と忠誠心は後世に語り継がれています。上田原の戦いで壮絶な最期を遂げましたが、その血筋は子孫へと受け継がれ、日本の歴史に大きな足跡を残しました。

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