上新田町 (前橋市)

上新田町

上新田町（かみしんでんまち）は、群馬県の県庁所在地である前橋市の地名の一つです。郵便番号は371-0821が割り当てられています。2013年時点での町域の面積は約0.73平方キロメートルでした。

地理

上新田町は前橋市の西部に位置しており、広大な前橋台地の一角、特に利根川の右岸に面しています。地域を潤す水資源として、歴史的な用水路である天狗岩用水が流れています。この用水は、戦国時代にこの地に築かれた総社城に関連して、城の防御機能と農業用水の確保を目的として整備されたと伝えられており、古くから地域の生活や農業にとって重要な役割を果たしてきました。

町域に接する主要な河川としては、群馬県を代表する利根川が挙げられます。この大河は地域の自然環境に影響を与えています。

歴史

上新田という地名は、江戸時代頃には既に存在していたとされています。当時の藩政下においては、当初は総社藩の領地でしたが、後に高崎藩の領地へと移管されました。

明治時代に入り、近現代の行政区画が整備される過程で、この地も大きな変遷を経験しました。

1889年（明治22年）4月1日には、町村制が施行され、それまでの上新田村は、箱田村、前箱田村、川曲村、稲荷新田村、下新田村、小相木村、後家村、江田村、古市村といった周辺の村々と合併し、新たな自治体である群馬郡東村の一部となりました。
続く1896年（明治29年）4月1日には、西群馬郡と片岡郡が統合されたことにより、東村は引き続き群馬郡に所属することとなります。
昭和に入り、市町村合併が進む中で、1954年（昭和29年）4月1日、東村は元総社村、上川淵村、芳賀村、桂萱村、下川淵村、群馬郡総社町といった周辺の1町5村とともに前橋市に編入されました。これにより、上新田の地域は前橋市に組み込まれ、「前橋市上新田町」として新たな歩みを始めました。
編入後も町域の変更があり、1963年（昭和38年）には町域の一部が朝日が丘町として分離独立しました。
さらに1969年（昭和44年）には、町域の一部が大利根町1丁目・2丁目および光が丘町として分離し、現在の町の区域が形成されるに至っています。

交通

上新田町内には残念ながら鉄道駅は設けられていません。最も近い鉄道駅としては、隣接する古市町に位置するJR新前橋駅が挙げられ、町域からの鉄道利用はこちらが中心となります。

公共交通機関としては、主に以下の二つのバス路線が利用可能です。

上信観光バスの運行する[高41]系統（高崎駅西口～京目～新前橋駅～前橋駅）
前橋市が永井運輸に運行を委託しているコミュニティバス「マイバス西循環」の[循51・循52]系統

町内には、これらのバス路線が停車する主要なバス停留所がいくつか設けられています。

育英高校（ただし、前橋駅方面行きのバス停のみが町内に位置しています）
済生会前橋病院
上新田郵便局（こちらは上信観光バスのみが停車します）

道路網については、町内に国道は通過していませんが、主要な県道である群馬県道・埼玉県道13号前橋長瀞線が町を縦断しており、周辺地域との間の主要な交通路として機能しています。

町内の主な施設

上新田町内には、地域の教育、郵便サービス、医療の中核となる施設が立地しています。

前橋市立新田小学校: 地域の子供たちが通う公立小学校です。
前橋上新田郵便局: 地域の郵便業務を取り扱う施設です。
群馬県済生会前橋病院: 高度な医療を提供する総合病院であり、地域住民の健康を支える重要な役割を担っています。

これらの施設は、上新田町および周辺地域住民の生活を支える上で不可欠な存在となっています。

出典

本記事は主に、以下の文献を参考に作成しました。

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 10 群馬県』角川書店、1988年

（世帯数・人口や小・中学校の学区に関する詳細情報は、上記の出典には含まれていないため、本記事では割愛いたしました。）

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