上杉朝定 (二橋上杉家)

上杉 朝定の生涯

上杉朝定（うえすぎ ともさだ）は、南北朝時代に生きた武将で、二橋上杉家の当主として名を馳せました。彼は元亨元年（1321年）に上杉重顕の子として生まれましたが、父が若くして亡くなったため、幼少期に家督を継ぐこととなります。朝定はその後、叔母である上杉清子の保護を受け、足利尊氏と直義の兄弟に仕えることになります。

早期の政治活動

建武4年（1337年）、17歳の若さで丹後国の守護および引付頭人に任命され、政治の世界に足を踏み入れます。その後、康永3年（1344年）には、尊氏と直義の姪との婚姻が知られており、彼の政治的立場がさらに強固なものとなる様子が伺えます。また、同年に設立された内談方の初代頭人にも就任しましたが、健康に問題があったとされ、4年後には石橋和義に交代することになります。

観応の擾乱とその影響

朝定は高師直と共に尊氏の執事として仕えていたこともありましたが、観応の擾乱が起こると、彼は直義方を支持する立場に立ち、尊氏と師直との戦いに身を投じました。彼にとってこの時期は、同じ直義方であった上杉憲顕・重能兄弟とは異なり、尊氏方への接近を図る行動も見受けられます。特に朝定邸を訪れた義詮の訪問は、その隠れた意図を示唆しています。

この時期の朝定の行動に関しては、二つの見方があります。一つは、彼が最後まで尊氏と直義の和解を目指していたという指摘です。もう一つは、彼が健康上の理由から直義との行動を共にできず、尊氏側からの接触を受けたが、最終的にはその誘いを断ったという見解です。

晩年と死後の影響

正平6年/観応2年（1351年）の7月、直義が政務を引退し、その後京都を脱出する際には、朝定が彼の代理として尊氏と交渉を行いました。彼はそのまま直義に従ったことが記されています。正平7年/観応3年（1352年）に信濃で亡くなりますが、死因については病死と戦死の両説があります。享年は32または33とされます。

朝定の養子には従甥の顕定がいて、彼は鎌倉に下向し、扇谷上杉家の祖となりました。また、犬懸上杉家の祖であった上杉憲藤の戦死後、彼の遺児である朝房と朝宗を養子に迎えたことも考えられています。

結論

上杉朝定の人生は、南北朝時代の政治と武士のあり方を知る上で重要な資料となります。彼の家族との関係や、当時の権力関係の中でどのように彼が役立ったのかを探ることは、歴史を理解する一助となるでしょう。このように、朝定は単なる武将にとどまらず、家族や当時の権力者との関わりを通じて、文化や政治にも影響を与えた人物でした。

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