上村伸一

上村伸一

上村伸一（かみむら しんいち、1896年6月15日 - 1983年）は、日本の外交官です。東京帝国大学法科（現在の東京大学法学部）を卒業後、外務省に入省し、東亜局第一課長、駐イギリス日本大使館臨時代理大使、トルコ大使などを歴任しました。激動の昭和時代において、外交の最前線で活躍した人物として知られています。

生い立ちと学歴

1896年、千葉県印旛郡佐倉町（現在の佐倉市）で、上村蔦松の長男として生まれました。札幌中学、二高を経て、東京帝国大学法科へ進学。1920年10月には、文官高等試験外交科に合格しました。1921年に東京帝国大学法科を卒業し、外務省に入省しました。

外交官としてのキャリア

外務省入省後、牛荘官補に配属され、外交官としてのキャリアをスタートさせました。昭和時代の幕開けは、革命進行中のソビエト連邦駐在中に迎え、満州事変以降は中国外交の現場で奔走しました。第二次世界大戦終戦時は満州におり、その後シベリアで抑留されるという苦難も経験しました。帰国後、外務省に復帰し、イギリス臨時代理大使、ドイツ公使、トルコ大使などを歴任。国際社会における日本の立場を確立するために尽力しました。

著書

上村伸一は、外交官としての経験を基に、多くの著書を執筆しました。

『日本外交史－日華事変－』（上・下）鹿島研究所出版会
『占領・独立・「新時代」-戦後外交十五年-』（時事新書）
『外交五十年』（時事通信社）
『相互協力安全保障条約の解説』（時事新書）
『語りつぐ昭和史-激動の半世紀4』（共著・朝日新聞社）
『破滅への道』（鹿島研究所出版会、1966年）、復刻版・ゆまに書房「日本外交史人物叢書」2002年

これらの著書は、日本の外交史を研究する上で貴重な資料となっています。

栄典

1943年10月9日、勲三等瑞宝章を受章しています。

家族・親族

妻は田中鉱業取締役、田中虎之輔の長女である艶です。母方の祖父はいわしや総本店の松本市左衛門です。長男は英（1934年生）、二男は次郎（1935年生）です。弟の今井彰は京都大学卒業後、川崎信託に入社し、後に日本信託銀行（株）取締役兼人事部長を務めました。義弟の田中一之助は、艶の実弟で、上智大商学部卒業後、富士観光経理部長を務めました。妻の智子は釜石製鉄所の第3代所長を務めた横山虎雄の長女です。

まとめ

上村伸一は、激動の昭和時代において、外交官として日本の国際社会における立場を確立するために尽力しました。その生涯は、著書や功績を通じて、現代に語り継がれています。

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