上村合戦

上村合戦の概要

上村合戦は、1570年12月に発生した戦闘であり、武田氏が東美濃の恵那郡上村にて徳川氏とその連合軍と激突しました。この合戦は、甲斐と信濃を治める武田軍が、徳川氏の拠点である三河地方に進出する過程で起こりました。

合戦の背景

上村合戦の根底には、武田信玄の積極的な領国拡張政策がありました。1554年、信玄は信濃の伊那郡を制圧し、その後遠山氏が臣従しましたが、当時の伊那郡には下条信氏も存在し、彼らは武田氏に従属しました。また、武田信玄は恵那郡上村を下条信氏に配分しました。

1568年、徳川氏は人質として松平源三郎を武田氏に送りましたが、彼は1570年に甲州を脱出します。そのため、秋山虎繁が軍を指揮して三河への進軍を決意しました。しかし、奥三河の一部の土豪や遠山氏の当主は、武田氏と結びついている複雑な状況でした。

合戦の経過

合戦は12月28日に始まりました。遠山氏とその連合軍は、明知城の遠山景行を総大将にし、多くの小城から兵を集結させて、武田軍に備えました。武田軍は3000余騎で構成され、部隊を三つに分けて攻勢をかけました。戦闘は隘峡において始まり、両軍の間で激しい小競り合いが繰り広げられました。

初戦では武田軍が優勢を見せましたが、不利な状況で勇気を振り絞った遠山軍は追い詰められ、結局は敗北を喫します。遠山景行は奮戦したものの、彼の軍は次第に崩れ去り、ついに自刃に追い込まれます。彼の最期は、清水が湧き出す故事とともに語り継がれています。

結果とその後

上村合戦の結果、武田方は勝利を収めましたが、その後の戦局は一変します。合戦の直後、織田信長が派遣した明知光廉の軍勢が小田子村で武田勢と戦い、武田軍は再度伊那郡へ撤退することとなりました。この戦いは、武田軍の進軍を阻む決定的な要因となったのです。

合戦参加者と両軍の構成

この戦いには多くの武将が参加しました。武田軍は、秋山虎繁や望月信永らが指揮し2500人規模の軍勢を編成しました。一方、遠山氏側は明知の遠山景行が指導役となり、彼の指揮下に約2500人が配置されました。両軍とも多くの武将が戦いに参加し、多くが戦死する結果となりました。

最後に

上村合戦は、武田氏と徳川氏の激しい争いの一環であり、この合戦の結果はその後の戦国時代の流れにも少なからず影響を与えることになりました。このように戦国時代の歴史の中で特異な意味を持つ合戦として、今なお語り継がれています。

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