上村大輔

上村 大輔（うえむら だいすけ）のプロフィール

上村大輔（1945年10月27日 - 2021年4月13日）は、日本の著名な化学者であり、天然物化学の分野で特に知られています。彼は神奈川大学で特別招聘教授を務め、名古屋大学では名誉教授としても知られています。上村氏の研究は、海洋生物から得られる天然有機化合物に焦点を当てており、特にパリトキシンやハリコンドリンBの構造決定において功績を残しました。

学歴とキャリア

上村は1973年に名古屋大学大学院理学研究科の博士課程を修了し、平田義正教授の指導の下、研究を進めました。その後、名古屋大学理学部の助手としてのキャリアをスタートし、静岡大学では助教授・教授を歴任しました。そして1997年には名古屋大学大学院理学研究科の教授に就任します。さらに、2008年には慶應義塾大学理工学部の生命情報学科教授に就任し、2011年からは神奈川大学理学部化学科教授及び天然医薬リード探索研究所の所長を務めました。2013年には金沢大学の監事、浙江大学の客員教授にもなり、2016年からは再び神奈川大学で特別招聘教授として活動を行っていました。

研究の主な業績

上村の研究は、海洋生物からの新しい化合物の発見に大きく貢献しました。特に、彼が海洋生物クロイソカイメンから単離したハリコンドリンBは、エリブリンメシル酸塩という形で乳癌の治療薬として実用化されています。このような成果は彼の研究がもたらした医薬品開発の成果として高く評価されています。

受賞歴

上村大輔は、その研究業績により多くの賞を受賞しています。2006年には日本化学会賞、2007年には中日文化賞を受賞。2009年には内藤記念科学振興賞と紫綬褒章、2012年にはナカニシプライズ、さらに2018年には瑞宝中綬章を受勲しました。これらの受賞は、彼の研究が社会に与えた影響の大きさを物語っています。

最期

上村は2021年4月13日に悪性リンパ腫のため75歳でこの世を去りました。彼の誕生からその死までの足跡は、日本の化学界における継続的な進歩と発展に寄与し続けたといえるでしょう。上村大輔の業績と研究は、今後の研究者たちに深い影響を与え、多くの人々に感動と希望を与える存在として語り継がれています。

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