上村邦夫

上村邦夫：無冠の強豪、囲碁界に刻んだ足跡

上村邦夫（かみむら くにお）は、1946年3月18日に北海道北見市で生まれ、2004年6月25日に逝去した囲碁棋士です。木谷實九段門下で、日本棋院に所属し、九段まで昇りつめました。タイトルには恵まれなかったものの、その実力は高く評価され、高木祥一、石田章と共に「無冠の三強」と称されました。

棋士としての道のり

1957年、上村は木谷實九段に入門し、囲碁の世界に足を踏み入れました。その後、着実に実力をつけ、1962年に入段を果たします。順調に昇段を重ね、1971年には六段に昇段しました。1981年に七段、1985年には八段へと昇り、1991年には九段に到達しました。

数々の棋戦で活躍し、1979年には棋聖戦六段戦で準優勝、1989年には棋聖戦八段戦でも準優勝を果たしました。また、1988年には第14期名人戦リーグ入りを果たすなど、トップ棋士としての地位を確立しました。1990年には第29期十段戦勝者組準決勝に進出、1996年には第46期王座戦本戦で準決勝に進出するなど、常に第一線で活躍しました。

囲碁の普及への貢献

上村は、棋士としての活動だけでなく、囲碁の普及にも尽力しました。1986年にはNHK囲碁講座の講師を務め、多くの人に囲碁の魅力を伝えました。その分かりやすい解説は、初心者から上級者まで幅広い層から支持されました。

著書

上村は、数多くの囲碁に関する著書を執筆しました。これらの著書は、囲碁の技術向上に役立つだけでなく、囲碁の奥深さや面白さを伝えるものとして、多くの人に読まれています。

『NEW別冊囲碁クラブ 22　勝率アップ大作戦 』日本棋院　1990年
『発想を変えよう中盤戦法 (新コンパクト・シリーズ―NHK囲碁講座)』1991年
『鬼手(おにで)―上級を目指す 味わい鑑賞し、攻防の急所発見力を高める』河出書房新社　1999年
『新四天王(山下敬吾・張栩・羽根直樹・高尾紳路)のここが強い』誠文堂新光社　2006年

人柄

上村は、温厚で誠実な人柄で知られていました。その人柄は、多くの棋士や囲碁ファンから愛され、慕われていました。また、ユーモアのセンスも持ち合わせており、周囲の人々を笑顔にしていました。

まとめ

上村邦夫は、タイトルには恵まれなかったものの、その実力は高く評価され、「無冠の三強」と称されました。数々の棋戦で活躍し、NHK囲碁講座の講師を務めるなど、囲碁の普及にも尽力しました。その棋風と人柄は多くの人に愛され、囲碁界に大きな足跡を残しました。

日本棋院による上村邦夫の紹介ページ
「無冠の３強」の一角・上村邦夫九段<追想録>

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