高尾紳路

高尾紳路（たかお しんじ）

プロフィール

1976年10月26日、千葉県千葉市に生まれる。日本棋院東京本院所属のプロ囲碁棋士で、九段。藤沢秀行名誉棋聖門下。

本因坊を3連覇、名人2期、十段2期、天元1期など数々のタイトルを獲得し、張栩、山下敬吾、羽根直樹らとともに「平成四天王」と称される。

人物

師匠である藤沢秀行から受け継いだ手厚い碁が特徴で、地に辛い傾向が強い現代碁界において異彩を放つ存在。

早くから若手有望株として期待されていたものの、タイトル戦線では他の四天王にやや遅れを取っていた。しかし、2005年に本因坊リーグを勝ち抜き、張栩本因坊を破り初の七大タイトルを獲得。その後、2007年まで本因坊位を3連覇した。

2013年以降は井山裕太が七大タイトルを独占する中、2014年には十段・天元、2016年には井山から名人位を奪取するなど、その実力を示している。

実兄は歴史学者の高尾善希。お笑い芸人のザブングル加藤歩は親戚にあたる。

来歴

囲碁愛好家の父の影響で、小学生の頃に兄と共に囲碁を始める。小学校低学年の頃には、毎日碁会所に通うようになる。この碁会所には、後に九段となる森田道博がいた。

小学1年生でアマ初段、2年生で五、六段に。この頃、アマ強豪の田岡敬一に師事。田岡は三村智保や森田道博を指導していた。また、田岡の紹介で藤沢秀行が主宰する「秀行合宿」にも参加するようになる。

小学3年生の時には、少年少女囲碁大会全国大会でベスト16に進出。翌年の同大会では、決勝で後にライバルとなる山下敬吾に敗れ準優勝となった。

小学4年生の秋に日本棋院の院生となり、小学5年生の時に藤沢秀行研究会に参加。中学2年生の時に棋士採用試験に1位で合格し、1991年に入段。同期には羽根直樹がいる。

入段後は、公式戦で打った碁の棋譜を全て藤沢に送り、講評を受けていた。1996年に新人王戦で優勝し、初のタイトルを獲得。この頃から、張栩、蘇耀国、溝上知親らと研究会を始める。

1998年には、師匠である藤沢秀行の引退碁企画の対局相手に選ばれる。また、この年の勝率は8割を超え、棋道賞勝率第一位賞を受賞。1999年には棋道賞最多勝利賞と最多対局賞を受賞した。

2000年頃からトーナメント棋戦で決勝に進出する機会が増え、2000年から2002年にかけて、新鋭トーナメント戦やNEC俊英トーナメント戦などで優勝を果たす。しかし、三大棋戦ではリーグ入りまであと一歩というところで敗退が続いていた。

2003年には、十段戦で挑戦者決定戦に進出するも、王立誠に敗れる。2004年に三大リーグ入りを果たす。

2005年、本因坊戦で初挑戦ながらタイトルを獲得し、九段に昇段。翌年には名人位も獲得し、名人本因坊となる。2007年には本因坊3連覇を達成した。

その後もタイトル戦で活躍し、2014年には十段と天元位を、2016年には名人位を奪取した。

2017年には本因坊リーグから陥落したが、2022-23年の棋聖戦Sリーグで残留を果たしている。

棋風

手厚い碁が特徴で、現代碁界では珍しいタイプ。

エピソード

2000年頃から張栩、山下敬吾、羽根直樹とともに「若手四天王」と呼ばれたが、他の3人がタイトルを獲得する中、高尾はなかなか結果が出なかったという。師匠の藤沢秀行から「勉強を続けていればいつか必ず結果は付いてくる」と励まされたという。

2005年に本因坊を獲得した際には、藤沢秀行から「勝ち碁で何をモタモタやっているんだ」と叱咤されたという。

競馬が趣味で、競走馬の一口馬主でもある。JRA公式サイトでインタビューを受けたこともあり、競馬好きの棋士として知られている。将棋棋士の渡辺明とも交流がある。

2009年からブログを執筆しており、自身の対局やタイトル戦の解説などを行っている。

棋戦決勝進出結果

（省略）

タイトル・棋戦優勝歴

七大タイトル

（省略）

棋戦

NECカップ 1期（31期）
新人王 1期（21期）
NEC俊英戦 2期（15期、17期）
竜星戦 2期（9期、13期）
新鋭トーナメント戦 1期（33期）

棋聖戦挑戦者決定リーグ戦

（省略）

著書

正々堂々 高尾の力学
第31期囲碁名人戦全記録
第32期囲碁名人戦全記録
秀行百名局
基本定石事典 上下巻

年表

（省略）

脚注

（省略）

外部リンク

たかお日記（本人のブログ）
日本棋院の高尾紳路紹介ページ

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