上汽通用汽車

上汽通用汽車

上汽通用汽車（シャンチートンヨンチーチャー）は、米国の大手自動車メーカーであるゼネラルモーターズ（GM）と、中国を代表する自動車グループである上海汽車集団（SAIC）が共同出資して設立した自動車製造販売会社です。英語表記はSAIC General Motors Corporation Limitedといい、略称として上汽GMやSAIC-GMとも呼ばれます。

設立と歩み

この合弁事業は、SAICとGMがそれぞれ50パーセントずつ出資する形で実現しました。設立は1997年6月12日で、当初は「上海通用汽車」という名称でスタートしました。中国市場での最初の大きな一歩は、1999年4月に上海にある工場で、ビュイック・リーガルの組み立てを開始したことです。これを皮切りに、同社は中国国内での生産体制と販売網を拡大していきました。

主な事業内容とブランド

上汽通用汽車の主な事業内容は、中国大陸市場向けに、ゼネラルモーターズが擁するシボレー、ビュイック、キャデラックといった著名なブランドの車両を製造し、販売網を通じて顧客に提供することです。これらのブランドは、それぞれ異なる顧客層やセグメントをターゲットとしており、幅広いニーズに応えるラインナップを展開しています。

国際市場への展開と課題

中国国内市場向けの生産・販売が中心である一方、同社は2015年からは、生産された一部の車両をアメリカ合衆国などの海外市場へ輸出する事業も行っています。特に、2025年時点ではビュイック・エンビジョンSなどが主要な輸出車種の一つとなっています。

しかし、2025年を迎えるにあたり、事業環境には大きな変化が生じています。特に、アメリカ合衆国では大統領が交代し、ドナルド・トランプ氏が再び政権を握ったことで、中国からの輸入品に対する関税政策が大幅に見直されました。いわゆる米中貿易戦争の再燃という状況下で、特定の自動車製品に対する追加関税率は145パーセントにも達しており、これは海外、特にアメリカへの輸出事業に深刻な影響を与えています。このため、同社は生産体制や販売戦略の抜本的な見直しを迫られています。

主な現行生産・販売車種

上汽通用汽車が現在、中国市場で生産・販売している主要な車種は以下の通りです。

ビュイック

アンクレイブ
アンコール
アンコール GX
ヴェリテ6
ヴェリテ7
エクセル
エクセル GT/エクセル GX
エンビジョン/エンビジョンS
ベラーノ
ラクロス
リーガル
GL6
GL8/GL8 ES

キャデラック

CT4
CT5
CT6
XT4
XT5
XT6

シボレー

エクイノックス
オーランド
オニキス
カマロ RS
トラッカー
トレイルブレイザー
ブレイザー
メンロ
マリブ XL
* モンザ

これらの車種は、セダン、SUV、MPVなど多岐にわたり、中国国内の多様な消費者ニーズに対応しています。

関連企業

上汽通用汽車に関連する主な企業として、共同出資者であるゼネラルモーターズ、上海汽車集団のほか、同じくGMとSAICが出資する上汽通用五菱汽車などが挙げられます。

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