上海国際貨運航空

上海国際貨運航空（Shanghai International Cargo Airlines）は、中国の貨物航空会社として、2006年6月に上海航空と台湾のエバーグリーン・グループに属するエバー航空との合弁で設立されました。この航空会社は、IATA航空会社コード「F4」、ICAO航空会社コード「SHQ」、コールサイン「SHANGHAI CARGO」を有し、主に貨物輸送に特化した運航を行っていました。

設立当初から、上海浦東国際空港を拠点とし、国内外の主要都市への貨物輸送ネットワークを構築していました。国内では上海を拠点とし、香港を含む特別行政区、海外ではアジア地域を中心に路線を展開していました。具体的には、日本への路線として東京/成田と大阪/関西、その他アジア地域ではシンガポール、ソウル、バンコク、そして北米へのアンカレッジ、シカゴ、ロサンゼルスなどの都市へ就航していました。

しかしながら、上海国際貨運航空は設立からわずか5年後の2011年に、同じく中国の貨物航空会社である長城航空（Great Wall Airlines）とともに中国貨運航空（China Cargo Airlines）に吸収合併されることとなりました。これにより、上海国際貨運航空としての運航は終了しましたが、同社の機材は中国貨運航空に引き継がれ、現在もその運航が継続されています。

上海国際貨運航空が運航していた機材は、ボーイング737-300F、ボーイング757-200F、マクドネル・ダグラスMD-11Fといった、貨物輸送に特化した機種で構成されていました。これらの機材は、現在では全て退役しており、中国貨運航空の保有する機材によって代替されています。

上海国際貨運航空の歴史は短かったものの、中国の航空貨物輸送業界において、その存在は重要な役割を果たしました。合弁会社としての設立、国内外への貨物輸送ネットワークの展開、そして中国貨運航空への吸収合併という一連の流れは、中国航空業界の発展と変遷を象徴する出来事の一つと言えるでしょう。この航空会社の存在は、中国の航空貨物輸送における国際的な競争力の強化に貢献したことは間違いありません。

現在、上海国際貨運航空としてのブランドは消滅しましたが、その運航実績と培われたノウハウは中国貨運航空に引き継がれ、更なる中国の航空貨物輸送の発展に貢献しています。この歴史を振り返ることで、中国の航空貨物輸送業界のダイナミックな変化を垣間見ることができるでしょう。

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