上田初美

上田初美 - 女流棋士の歩み

上田初美（うえだ はつみ）は、1988年11月16日生まれの日本将棋連盟に所属する女流棋士です。彼女は東京都小平市出身で、伊藤果八段の門下生として将棋の道を歩み始めました。学業は錦城高等学校を卒業し、将棋界に進むことになります。彼女の夫も将棋棋士で、及川拓馬氏です。

経歴

上田は2001年にわずか12歳で女流棋士となり、その才能を早くから示しました。2006年度に行われた第1回白瀧あゆみ杯争奪戦では、決勝戦で坂東香菜子を破り、初代優勝者として名を馳せました。2008年度には、第2回大和証券杯ネット将棋・女流最強戦の決勝戦に進出しましたが、中井広恵に敗れ、準優勝となりました。

2009年度には、第20期女流王位戦の挑戦者決定リーグ・白組を制し、挑戦者決定戦に進出しましたが、清水市代に敗れ、挑戦権を逃します。同年度には第31期女流王将戦で挑戦者決定トーナメントを勝ち抜き、初のタイトル挑戦が決定します。清水との三番勝負では惜しくもストレート負けを喫しましたが、この年の対局数は36局に達し、将棋大賞の女流最多対局賞を受賞しました。

2011年には第4期マイナビ女子オープン五番勝負で甲斐智美女王に勝利し、初タイトル「女王」を獲得。同日に女流三段に昇段し、晴れて日本将棋連盟の正会員資格を得ました。7月には男性棋士である金沢孝史を破り、男性棋士に対する初勝利を収めます。

2012年度には第5期マイナビ女子オープンでタイトル初防衛を成功させ、女流名人位戦で清水市代を破り挑戦権を獲得しましたが、里見香奈との五番勝負では2勝3敗で敗退します。このシリーズ第5局は高く評価され、名局賞特別賞を受賞しました。

2013年度には、第6期マイナビ女子オープン五番勝負で里見香奈に敗れ、その後の挑戦権を失いますが、同年6月には及川拓馬との結婚を発表します。

2014年には女流王将戦の挑戦者決定戦で香川愛生に敗れますが、第8期マイナビ女子オープンでの挑戦権を得ました。2015年度も再び女王への挑戦を果たしたものの、清水市代に敗北するなど悔しい思いをする年が続きました。

2016年度には、第43期女流名人戦挑戦者決定リーグで名人戦に挑む権利を奪取。しかし、タイトル戦では連敗を重ね、最終的に敗退しました。2017年度には再びタイトル戦で挑戦権を得ますが、女王加藤桃子に敗れ復位を果たせませんでした。

2018年度には女流四段に昇段し、出産を越えて挑戦し続けた女流名人戦で精力的な対局を展開しました。最終成績は6勝2敗で終え、見事な戦いを見せました。

棋風・人物

上田は基本的には振飛車戦法を好む棋士ですが、居飛車も使いこなすことができる柔軟な指し手を持っています。彼女が持つ存在感は、タイトルを獲得して以降の多くの対局で和服を着用する姿にも顕著に表れています。趣味として詰将棋の創作にも力を入れ、2017年には朝日新聞の詰将棋欄を担当しました。

出身地の小平市観光まちづくり大使としての活動も行っており、地域貢献に励んでいます。彼女の輝かしい棋士としてのキャリアと多方面での活躍、そこから生まれる注目は、今後も将棋界でますます増していくことでしょう。

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