上田繁潔

上田繁潔：奈良県政を担った政治家の生涯

上田繁潔（うえだ しげきよ）は、1921年10月16日に奈良県奈良市で生まれ、2011年5月20日に89歳で生涯を終えた日本の政治家です。彼は、第10代から第12代にかけて奈良県知事を務め、そのリーダーシップで県政の発展に大きく貢献しました。

生い立ちと初期のキャリア

上田氏は、旧制小学校を卒業後、奈良県庁に勤務しながら夜間の旧制金鐘中学（現在の東大寺学園中学校・高等学校）に通い、苦学しました。1946年には関西大学経済学部を卒業。その後、再び奈良県庁に入庁し、各課長、総務部長といった要職を歴任し、その能力を発揮しました。1975年には副知事に就任し、県政の中枢を担う存在となりました。

奈良県知事として

1980年9月、奥田良三知事が健康上の理由で辞任を表明。これを受け、上田繁潔はその後継として10月の知事選挙に立候補し、見事当選を果たしました。以後、3期11年余りの長きにわたり奈良県知事として県政を担いました。

在任期間中、特に後半はバブル景気に恵まれ、その経済的な恩恵を活かして、数々の事業を成功に導きました。中でも、1988年に開催された「なら・シルクロード博覧会」は、奈良県の国際的な知名度を高め、観光振興に大きく貢献する一大イベントとなりました。

退任後と晩年

1991年、上田氏は知事を辞任。退官後は関西大学の理事長に就任し、教育分野でも貢献しました。

上田氏の息子である上田清も政治の世界に進み、1999年の知事選に出馬しましたが、柿本善也に敗れました。その後、2001年の大和郡山市長選挙で初当選を果たしています。

2011年5月20日、上田繁潔は急性肺炎のため、大阪府箕面市の自宅で永眠しました。89歳でした。

上田繁潔は、奈良県知事として、県政の発展に尽力し、バブル景気を活かした数々の事業を成功に導いた功績は、今もなお語り継がれています。彼のリーダーシップと先見の明は、奈良県の歴史に深く刻まれています。

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