上田義彦
上田義彦（うえだ よしひこ）は、1957年に兵庫県で生まれた日本の写真家であり、映画監督としても活動しています。
1979年にビジュアルアーツ専門学校・大阪校を卒業した後、写真家の福田匡伸氏、有田泰而氏のもとで1979年から1981年にかけて研鑽を積みました。1982年に独立してからは、広告写真の分野で目覚ましい活躍を見せています。特に、サントリーのウーロン茶や伊右衛門、無印良品、資生堂、日本郵政グループ、NTT docomo、UNIQLO、TOYOTA、Canonといった、日本を代表する企業の広告キャンペーンを数多く手掛け、そのクリエイティブな仕事は高く評価されています。これらの功績に対し、東京ADC賞最高賞、ニューヨークADC賞、カンヌグラフィック銀賞、朝日広告賞など、国内外の権威ある賞を多数受賞しています。
2014年4月からは、多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科の教授として、後進の育成にも力を注いでいます。
広告写真での商業的な成功と並行して、上田氏は作家として個人的な写真表現を探求し続けています。その作品は多岐にわたり、代表作として以下のようなシリーズが知られています。
『QUINAULT』：ネイティブ・アメリカンの聖なる森を主題とした作品。
『AMAGATSU』：前衛舞踏集団「山海塾」を主宰する舞踏家、天児牛大氏のポートレイト集。
『ポルトレ』：評論家の吉本隆明氏、小説家の安岡章太郎氏、映画監督の大島渚氏など、日本の著名人39名のポートレイトシリーズ。
『at HOME』：自身の家族（妻である女優の桐島かれん氏と4人の子供たち）に長年寄り添い、日常を写し取ったプライベートな作品。
『Frank Lloyd Wright』：建築家フランク・ロイド・ライトが設計した建築物を撮影したシリーズ。
これらの作品は、Paris Photoをはじめとする国際的なアートフェアや、Michael Hoppen Gallery (イギリス)、TAI gallery (アメリカ)、G/P Gallery (日本)、Gallery 916 (日本)といった著名なギャラリーで発表されています。また、Kemper Museum of Contemporary Art (アメリカ)、Permanent Public Art Collection of New Mexico Arts (アメリカ)、Hermes International (フランス)、Stichting Art & Theatre, Amsterdam (オランダ)など、国内外の美術館や機関に多数収蔵され、恒久的に展示されています。
写真制作においては、大型の木製カメラであるディアドルフ（8x10サイズ）を愛用していることでも知られています。
私生活では、女優の桐島かれん氏と結婚し、4人の子供に恵まれました。この家族との生活は、作家活動にも影響を与えており、特に妻と子供たちを13年間にわたり撮り続けた写真は、2006年に写真集『at Home』として出版されています。かつてのアシスタントには、写真家の小泉佳春氏がいます。
2021年4月には、初の長編映画『椿の庭』で映画監督デビューを果たしました。この作品では、監督だけでなく脚本と撮影も自ら手掛けており、その才能の幅広さを示しました。この映画は、第10回トロント日本映画祭で審査員賞、第15回KINOTAYO現代日本映画祭でグランプリを受賞するなど、国内外で高く評価されています。
『YOSHIHIKO UEDA (Art RAndom Series Vol.87)』 (京都書院、1990年) - 絶版
『INTO THE SILENT LAND』 (京都書院、1991年) - 絶版
『WORKS 1985-1993』(EDGE TO EDGE #9) (光琳社出版、1993年) - 絶版
『QUINAULT』 (京都書院、1993年)
『CONTEMPORARY NUDES 3WOMEN』 (美術出版社、1994年)
『AMAGATSU』 (光琳社出版、1995年)
『FLOWERS』 (光琳社出版、1997年)
『UEDA YOSHIHIKO (VISIONS of JAPAN)』 (光琳社出版、1998年) - 絶版
『上田義彦広告写真』 (玄光社、1998年)
『FRANK LLOYD WRIGHT』 (エクスナレッジ、2003年) - 絶版
『PHOTOGRAPHS』 (エディシオン・トレヴィル 2003年) - 絶版
『PORTRAIT』 (リトル・モア、2003年)
『at Home』 (リトル・モア、2006年)
『CHAMBER of CURIOSITIES』 (赤々舎 2006年) - 絶版
『ONE HUNDRED STONEWARES』 (東京大学出版会 2008年)
『BIOSOPHIA of BIRDS』 (東京大学出版会 2008年)
『YUME』 (青幻舎 2010年)
『1986』 (G/P gallery. artbeat publishers. 2011年)
『SHIMAE』 (青幻舎 2011年)
『materia』 (求龍堂 2012年)
『A DREAM』 (ワニブックス 2012年)
『JOMONESE』 (美術出版 2012年)
『PERU ALPACA』 (良品計画 2012年)
『MIES VAN DER ROHE』 (鹿島出版社 2012年）
『M.River』 （916 Press & 赤々舎 2013年）
『M.Gange』 （916 Press & 赤々舎 2013年）
『A Life with Camera』 （羽鳥書店 2015年）
『旅情』 （羽鳥書店 2015年）
『林檎の木』 （赤々舎 2017年）
『FOREST 印象と記憶 1989-2017』 （青幻舎 2018年）
『晴れの日本料理 −青草窠のひと刻−The Seasonal Beauty of Japanese Cuisine』 （求龍堂 2018年）
『68TH STREET』 （916 Press & ユナイテッドヴァガボンズ 2018年）
『風景の科学 −芸術と科学の融合−Illuminating Landscapes』 （美術出版社 2019年）
* 『椿の庭』 （赤々舎 2020年)
上田義彦氏は、広告写真の商業性、作家活動における多様な表現、そして映画監督としての新たな挑戦を通じて、多角的な視点から「撮る」という行為を探求し続ける、現代日本を代表するビジュアルアーティストの一人です。
経歴と広告写真家としての成功
1979年にビジュアルアーツ専門学校・大阪校を卒業した後、写真家の福田匡伸氏、有田泰而氏のもとで1979年から1981年にかけて研鑽を積みました。1982年に独立してからは、広告写真の分野で目覚ましい活躍を見せています。特に、サントリーのウーロン茶や伊右衛門、無印良品、資生堂、日本郵政グループ、NTT docomo、UNIQLO、TOYOTA、Canonといった、日本を代表する企業の広告キャンペーンを数多く手掛け、そのクリエイティブな仕事は高く評価されています。これらの功績に対し、東京ADC賞最高賞、ニューヨークADC賞、カンヌグラフィック銀賞、朝日広告賞など、国内外の権威ある賞を多数受賞しています。
2014年4月からは、多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科の教授として、後進の育成にも力を注いでいます。
作家活動と主要作品
広告写真での商業的な成功と並行して、上田氏は作家として個人的な写真表現を探求し続けています。その作品は多岐にわたり、代表作として以下のようなシリーズが知られています。
『QUINAULT』：ネイティブ・アメリカンの聖なる森を主題とした作品。
『AMAGATSU』：前衛舞踏集団「山海塾」を主宰する舞踏家、天児牛大氏のポートレイト集。
『ポルトレ』：評論家の吉本隆明氏、小説家の安岡章太郎氏、映画監督の大島渚氏など、日本の著名人39名のポートレイトシリーズ。
『at HOME』：自身の家族（妻である女優の桐島かれん氏と4人の子供たち）に長年寄り添い、日常を写し取ったプライベートな作品。
『Frank Lloyd Wright』：建築家フランク・ロイド・ライトが設計した建築物を撮影したシリーズ。
これらの作品は、Paris Photoをはじめとする国際的なアートフェアや、Michael Hoppen Gallery (イギリス)、TAI gallery (アメリカ)、G/P Gallery (日本)、Gallery 916 (日本)といった著名なギャラリーで発表されています。また、Kemper Museum of Contemporary Art (アメリカ)、Permanent Public Art Collection of New Mexico Arts (アメリカ)、Hermes International (フランス)、Stichting Art & Theatre, Amsterdam (オランダ)など、国内外の美術館や機関に多数収蔵され、恒久的に展示されています。
写真制作においては、大型の木製カメラであるディアドルフ（8x10サイズ）を愛用していることでも知られています。
私生活と関連作品
私生活では、女優の桐島かれん氏と結婚し、4人の子供に恵まれました。この家族との生活は、作家活動にも影響を与えており、特に妻と子供たちを13年間にわたり撮り続けた写真は、2006年に写真集『at Home』として出版されています。かつてのアシスタントには、写真家の小泉佳春氏がいます。
映画監督としての挑戦
2021年4月には、初の長編映画『椿の庭』で映画監督デビューを果たしました。この作品では、監督だけでなく脚本と撮影も自ら手掛けており、その才能の幅広さを示しました。この映画は、第10回トロント日本映画祭で審査員賞、第15回KINOTAYO現代日本映画祭でグランプリを受賞するなど、国内外で高く評価されています。
主な著作リスト
『YOSHIHIKO UEDA (Art RAndom Series Vol.87)』 (京都書院、1990年) - 絶版
『INTO THE SILENT LAND』 (京都書院、1991年) - 絶版
『WORKS 1985-1993』(EDGE TO EDGE #9) (光琳社出版、1993年) - 絶版
『QUINAULT』 (京都書院、1993年)
『CONTEMPORARY NUDES 3WOMEN』 (美術出版社、1994年)
『AMAGATSU』 (光琳社出版、1995年)
『FLOWERS』 (光琳社出版、1997年)
『UEDA YOSHIHIKO (VISIONS of JAPAN)』 (光琳社出版、1998年) - 絶版
『上田義彦広告写真』 (玄光社、1998年)
『FRANK LLOYD WRIGHT』 (エクスナレッジ、2003年) - 絶版
『PHOTOGRAPHS』 (エディシオン・トレヴィル 2003年) - 絶版
『PORTRAIT』 (リトル・モア、2003年)
『at Home』 (リトル・モア、2006年)
『CHAMBER of CURIOSITIES』 (赤々舎 2006年) - 絶版
『ONE HUNDRED STONEWARES』 (東京大学出版会 2008年)
『BIOSOPHIA of BIRDS』 (東京大学出版会 2008年)
『YUME』 (青幻舎 2010年)
『1986』 (G/P gallery. artbeat publishers. 2011年)
『SHIMAE』 (青幻舎 2011年)
『materia』 (求龍堂 2012年)
『A DREAM』 (ワニブックス 2012年)
『JOMONESE』 (美術出版 2012年)
『PERU ALPACA』 (良品計画 2012年)
『MIES VAN DER ROHE』 (鹿島出版社 2012年）
『M.River』 （916 Press & 赤々舎 2013年）
『M.Gange』 （916 Press & 赤々舎 2013年）
『A Life with Camera』 （羽鳥書店 2015年）
『旅情』 （羽鳥書店 2015年）
『林檎の木』 （赤々舎 2017年）
『FOREST 印象と記憶 1989-2017』 （青幻舎 2018年）
『晴れの日本料理 −青草窠のひと刻−The Seasonal Beauty of Japanese Cuisine』 （求龍堂 2018年）
『68TH STREET』 （916 Press & ユナイテッドヴァガボンズ 2018年）
『風景の科学 −芸術と科学の融合−Illuminating Landscapes』 （美術出版社 2019年）
* 『椿の庭』 （赤々舎 2020年)
上田義彦氏は、広告写真の商業性、作家活動における多様な表現、そして映画監督としての新たな挑戦を通じて、多角的な視点から「撮る」という行為を探求し続ける、現代日本を代表するビジュアルアーティストの一人です。
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