上石神井車両基地

上石神井車両基地

上石神井車両基地（かみしゃくじいしゃりょうきち）は、東京都練馬区に所在する西武鉄道の車両基地です。西武新宿線の上石神井駅に隣接しており、新宿線内でも特に列車の運行密度が高い区間に位置しています。

概要と現在の役割

この車両基地は、西武新宿線における日常的な列車の出入庫拠点として機能しています。また、夜間や休日には多摩湖線の車両の運用にも対応しています。かつてはこの基地に所属する車両が存在しましたが、現在、上石神井車両基地には車両は配置されていません。新宿線で運用される車両は、主に南入曽車両基地や玉川上水車両基地に所属しています。

2013年3月のダイヤ改正以降、この車両基地での列車検査業務は廃止されました。これに伴い、基地内に車両の整備を担当する係員は常駐していません。そのため、現在車両の出入庫や清掃、簡単な整備作業などは、遠方にある南入曽車両基地から整備係員が出張して実施するという体制が取られています。

沿革

上石神井車両基地の歴史は、1928年1月にまで遡ります。この時、（旧）西武鉄道の検修庫として開設され、当時は44両の車両を収容する能力を持っていました。

1969年には、組織再編に伴い南入曽車両基地の支区という位置づけになります。その後、1975年には検修棟の建て替えと電留線（電車を留置しておく線路）の拡張工事が行われ、再び独立した車両基地としての体制が整えられました。

組織体制はその後も変化し、1997年3月には組織改正により玉川上水車両管理所（現在の玉川上水車両基地）の管理下に置かれることとなりました。さらに2001年7月の組織改正では、新宿線車両所の一部である上石神井車両基地という位置づけに変更されました。

そして、先に述べたように2013年3月のダイヤ改正をもって列車検査業務が廃止され、基地に整備係員が配置されなくなったことで、車両基地としての機能の一部が縮小されるに至りました。

将来計画（素案）

現在、西武鉄道新宿線の井荻駅から西武柳沢駅間にわたる連続立体交差化計画を含む都市計画の素案が存在します。この計画素案の中には、上石神井車両基地についても高架化される可能性が示されています。

計画素案によると、もし高架化が実現した場合、上下本線の間に5本の車庫線が整備され、さらに下り本線の南側にも2本の車庫線が設けられる構想があります。合計で7本の車庫線が整備されるという計画素案が存在しており、将来的に車両基地の構造や機能が大きく変化する可能性が示唆されています。

これらの情報は、現時点での計画素案に基づくものであり、今後の詳細な計画策定や事業の進捗によって変更される可能性があります。しかし、上石神井車両基地が西武新宿線の輸送を支える上で重要な拠点であることに変わりはなく、その役割は今後も続いていくと考えられます。

関連項目

南入曽車両基地
玉川上水車両基地
武蔵丘車両検修場
日本の車両基地一覧

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