上華厳寺

上華厳寺

上華厳寺は、中華人民共和国山西省大同市平城区に位置する仏教寺院です。その歴史は古く、遼代の重熙7年（1038年）に創建されました。寺院の名前は、仏教の重要な経典である『華厳経』に由来しています。

歴史

創建から間もない保大2年（1122年）に、兵火によって焼失するという災難に見舞われました。その後、金の天眷3年（1140年）に再建され、大定6年（1166年）には世宗皇帝が訪れて参拝するなど、国家からの崇敬も集めました。

元の時代にも住職の慧明によって再建されましたが、元の末期に紅巾の乱による火災で再び全焼してしまいました。明代の初期に再建されています。

清の順治5年（1648年）には、再び火災が発生し、大雄宝殿と蔵経閣を除くほとんどの建物が焼失しました。

しかし、上華厳寺はその歴史的・文化的価値が認められ、1961年には中華人民共和国国務院によって全国重点文物保護単位に指定されました。1983年には、漢族地区仏教全国重点寺院にも指定されています。

伽藍

寺院の伽藍は、山門、天王殿、大雄宝殿、弥勒殿、観音殿、文殊殿、普賢殿、普光明殿、鐘楼、鼓楼、蔵経閣などで構成されています。

特に大雄宝殿には、明代に作られた5体の仏像と20体の諸天の塑像が安置されており、清代の壁画も保存されています。これらの仏像や壁画は、中国の仏教美術の貴重な遺産です。

国宝

上華厳寺には、以下のような貴重な文化財が所蔵されています。

遼代の塑像：31体
明代の塑像：5体
清代の壁画

これらの文化財は、中国の歴史と文化を伝える貴重な資料であり、多くの人々が訪れてその美しさに触れています。

参考文献

梁思成 (2005) (中国語). 『中国建築史』. 天津市: 百花文藝出版社. pp. 228–239. ISBN 7-5306-4168-9
* 梁思成; 林洙 (2010). “遼一：山西大同華厳寺薄伽教蔵殿造像（上和下）” (中国語). 『佛像的歴史』. 北京市: 中国青年出版社. pp. 248–251. ISBN 978-7-5006-9253-9

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