中国の仏教

中国の仏教

中国における仏教は、1世紀頃に伝来し、現在では約1億8500万から2億5000万の信者がいるとされています。中華人民共和国の法律では、仏教は主に漢族仏教、チベット仏教、南仏教に分類されます。

歴史的背景

中国への仏教の伝来には多くの説がありますが、中でも後漢の永平10年（67年）の明帝と洛陽の白馬寺に関わる求法の物語が有名です。仏教の浸透は主にシルクロードを通じて商人によるものと考えられており、その影響で民衆の間にも広まりました。後漢末期には、武将の笮融が揚州に大寺を建立し、仏教徒の活動が活発化しました。また、桓帝の時代には、多くのインドや西域の僧侶たちが漢土に渡り、経典の翻訳が行われました。この時、最初の漢人の出家者も現れ、宗教活動がさらに広がりました。

三国・両晋・五胡十六国時代

紀元3世紀頃からは、支謙や康僧会による翻訳が始まり、仏教は広がりを見せます。この時期に、中国人の出家者も現れ、格義仏教が主流となりました。また、西方から渡来した仏図澄、鳩摩羅什などの高僧によって仏教は大きな変革を迎えます。彼らは多くの経典を残し、中国仏教の発展に寄与しました。

南北朝時代

5世紀に入ると、華厳経、法華経、涅槃経などの重要な経典が続々と伝来し、曇鸞による浄土教の開祖もこの時期です。北朝の北魏では、仏教の中心が洛陽に移り、大規模な石窟寺院が作られ、仏教建築が栄えました。

隋と唐の時代

隋では、仏教の復興が見られ、国家の宗教政策において仏教が以前より重視されました。これに伴い様々な宗派が生まれ、特に天台宗や禅宗が発展しました。唐の時代には玄奘三蔵がインドへ渡り、膨大な経典を持ち帰り、彼の影響で仏教は一層広がりました。

五代・宋・元

唐の滅亡後、五代十国時代を経て北宋が成立しますが、この時期も仏教が主流となり、有力な教団が形成されました。宋代には仏教史書も多く編纂され、次第に中国化が進んで宗教の特色が失われました。元代に入ると、王朝がチベット仏教を取り入れ、密教が広まりました。

明・清

明清時代には出家者の活動が停滞し、代わりに在家の居士仏教が盛んになりました。清の末期には改革が進み、開明的な仏教運動も起こりました。

中華民国と中華人民共和国

中華人民共和国が成立した後、仏教は厳重に管理されることとなり、文化大革命では大きな弾圧を受けましたが、21世紀に入ると仏教文化の保護が進むようになりました。華僑の支援により、寺院の復興も見られています。

記念日と重要な行事

中国の仏教徒は、釈迦誕生日や旧正月、中元など重要な祝日を祝います。これらの祭りは多くの人々に参加され、仏教の重要性を示しています。

備考

中国に伝来した仏教は、当初は中国人に分かりやすく解釈され、次第にインド的な特色を失いつつあります。仏教の教典の翻訳も、最初は中国的な要素は多く含まれており、やがてその内容は変わっていきました。

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