上蓬萊橋

上蓬萊橋（かみほうらいばし）の詳細

上蓬萊橋は、福島県福島市の阿武隈川に架かる道路橋であり、福島市道金沢立子山線を通っています。この橋は1981年5月に竣工され、全長190メートル、主径間は117.6メートルを誇る上路式鋼ローゼ橋として設計されています。橋の施工を担ったのは石川島播磨重工業で、多くの利用者に支えられながら地域の交通網を支えています。

この橋は、福島市南部の阿武隈川に位置し、西側は松川町金沢、東側は立子山に接しています。上蓬萊橋の開通により、福島南バイパスの国道4号と国道114号との連結が強化され、福島県立医科大学附属病院へのアクセスが向上しました。これにより、地域の救急医療体制が強化され、特に阿武隈山地周辺や相双地域において医療サービスが充実しました。

橋の高さは約60メートルで、眼下には名勝として知られる阿武隈峡の美しい渓谷が広がり、秋には鮮やかな紅葉を楽しむことができます。このため、上蓬萊橋は福島市内の学校の遠足先としても人気があります。橋の西側のたもとにはレストハウスあったが、現在は閉鎖されているものの、その駐車場は整備されており、渓谷を巡る遊歩道の起点となっています。

一方で、上蓬萊橋では転落事故や自殺、ゴミのポイ捨てなどが問題視されており、2009年にはこれらの対策として欄干に高さ2.5メートルの金属製フェンスが設けられました。このフェンスは内側に傾斜がついており、身を乗り出すことができないようになっています。

歴史的には、上蓬萊橋が建設される前は、橋の真下に位置する鮎滝渡船場で阿武隈川を渡っていました。相馬街道が通っており、奥州街道八丁目宿から分岐していましたが、1875年に上流の逢隈橋が開通したことにより、渡船場は廃止されました。それ以来、100年以上にわたりこの地域での渡河手段は失われており、上蓬萊橋の開通が待望された経緯があります。

上蓬萊橋は、ただの交通手段としてだけでなく、その周囲の自然環境や歴史的背景により、地域における重要なランドマークとなっています。現在も多くの人々に利用され、愛されているこの橋は、福島市とその周辺地域の発展に寄与し続けています。

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