上賀茂橋

上賀茂橋について

上賀茂橋（かみがもばし）は、京都市北区を流れる鴨川にかかる重要な橋で、玄以通に位置しています。この橋は御薗橋と北山大橋の間にあり、右岸の紫竹地域や市内中心部と左岸の上賀茂地区や宝ヶ池方面をつなぐ役割を果たしています。また、上賀茂橋西詰を南西に進むと玄以通との交差点があり、ここが新町通の起点でもあります。

この橋の歴史には興味深いエピソードがあります。かつて、北区大北山にあった蓮華谷火葬場が稼動していた時期、葬送の列は御薗橋を経由せず、上賀茂橋を通ることが一般的でした。この流れは、地域の歴史や文化に深く根ざしていることを示しています。

現在の上賀茂橋

現在の上賀茂橋は1970年に架けられ、全長は73.3メートル、有効幅員は12メートルです。片側1車線の車道と歩道が設けられており、交通の利便性を高めています。さらに、周辺地域には御薗橋があり、大きな渋滞を引き起こすこともしばしばありますが、上賀茂橋はその渋滞を避けるための抜け道として利用されることも多いです。

上賀茂橋から葵橋にかけての鴨川右岸は、京都市が定めた広域避難場所に指定されています。また、毎年5月18日には上御霊神社で御霊祭が行われ、神輿が橋西詰まで巡行します。この祭りは地域住民にとって大切なイベントであり、上賀茂橋はその重要な舞台となっています。

清蔵口の考察

上賀茂橋の近くにはかつて「清蔵口」と呼ばれる場所が存在したとされています。これは京の七口の一つで、上賀茂橋の南方約1.5kmの地点にあたります。1719年に発行された『京都御役所向大概覚書』には、賀茂川堤の辺りに関する記述があり、そこから推測するに清蔵口は現在の上賀茂橋付近に位置した可能性があります。特に「大宮之渡り」とは御薗橋を指し、過去の地図にもこの地域の記載が見られることから、歴史的な背景を持つ場所であることがわかります。

1922年に測量された大日本帝国陸地測量部の地形図には、現在の上賀茂橋近辺に橋が描かれていたことが確認されています。このことからも、上賀茂橋は古くからの交通の要所であったことが伺えます。

周辺施設

上賀茂橋周辺には、京都市立加茂川中学校があり、この地域の教育機関として地域の住民に利用されています。

結論

上賀茂橋は、その歴史的な意義や地域の文化との関わりから、単なる交通手段以上の価値を持っています。地域住民にとって欠かせない存在であり、訪れる人々にとってもその雰囲気や背景を知ることで、一層の魅力を感じられる場所でしょう。

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