上郷町 (長野県)

上郷町（かみさとまち）

上郷町は、かつて長野県下[[伊那郡]]に存在した町です。飯田市と旧座光寺村の飛地に挟まれた位置にありましたが、合併によって飛地状態は解消されました。本記事では、町制前の名称である上郷村についても触れ、その歴史と変遷を詳しく解説します。

地理

上郷町は、飯田盆地の北西部に位置し、木曽山脈（中央アルプス）に連なる野底山がそびえています。町の中心部の標高は約500メートルです。町内には天竜川と野底川が流れています。

歴史

上郷村（第1次）

1875年（明治8年）1月23日、筑摩県伊那郡の上黒田村、座光寺村、下黒田村、飯沼村、別府村、南条村が合併し、上郷村（第1次）が誕生しました。

1876年（明治9年）8月21日、上郷村は長野県の所属となりました。

1879年（明治12年）1月4日、郡区町村編制法の施行により、上郷村は下[[伊那郡]]の所属となりました。

1881年（明治14年）9月2日、上郷村は分割され、黒田村、座光寺村、飯沼村、別府村となりました。座光寺村は後に単独で自治体を形成しました。

上郷村（第2次）

1889年（明治22年）4月1日、町村制の施行により、飯沼村、黒田村、別府村の区域をもって上郷村（第2次）が発足しました。

上郷町へ

1956年（昭和31年）9月30日、座光寺村が飯田市と飛地合併したことにより、上郷村は飯田市とその飛地に挟まれる形となりました。この状況は地元で「ドーナツ合併」と呼ばれました。

1959年（昭和34年）5月29日、上郷村花火工場爆発事故が発生し、多数の家屋が全半壊する被害が出ました。

1970年（昭和45年）4月1日、上郷村は町制を施行し、上郷町となりました。

1993年（平成5年）7月1日、上郷町は飯田市に編入され、同日廃止となりました。

村名の由来

村名は、城下町である飯田の上（北）に位置する郷（村）という意味に由来します。この地域は江戸時代から上郷（かみごう）と呼ばれていましたが、1875年（明治8年）の合併時に読みが「かみさと」に変更されました。

産業

第二次世界大戦前の上郷村は、養蚕、織物、染物を中心とした農村でした。戦後の上郷町は、飯田市と市街地が連続するようになり、商工業化と住宅地化が急速に進みました。そのため、「飯田のベッドタウン」と呼ばれるようになりました。飯田市との結びつきが強かったため、昭和の大合併の際に合併が検討されましたが、1955年（昭和30年）当時の上郷村は人口が8,138人と合併後の自治体規模として示された8,000人を超えていたこと、財政上の問題がなかったこと、地方自治の希薄化が懸念されたことから、合併は見送られました。

行政

歴代村長

北原阿智之助

教育

小学校

上郷町立上郷小学校

中学校

上郷町・飯田市中学校組合立高陵中学校

高等学校

長野県飯田高等学校
長野県飯田風越高等学校
飯田女子高等学校

図書館

町立上郷図書館

交通

鉄道

JR東海飯田線
伊那上郷駅

道路

中央自動車道
国道153号（三州街道）
長野県道15号飯島飯田線
長野県道229号市場桜町線

出身者

宮脇倫 - 警察官僚、埼玉県知事

脚注

参考文献

是枝英子『知恵の樹を育てる 信州上郷図書館物語』大月書店、1983年10月28日、203頁。全国書誌番号:84012225
上郷史編集委員会 編 編『上郷史』上郷史刊行会、1978年5月1日、1385頁。NCID BN02926500。

関連項目

* 長野県の廃止市町村一覧

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