上野喜左衛門 (5代)

上野 喜左衛門について

上野喜左衛門（うえの きざえもん）は、1901年8月6日に鹿児島県の隈之城村で生まれました。彼は豪商であった父の長男として育ち、1921年に家督を相続し、名前を次郎七から喜左衛門に改名しました。彼の政治家や実業家としてのキャリアは、早い段階から始まりました。

学歴と初期のキャリア

上野は1920年に東京商科大学（現在の一橋大学）に入学し、1927年に卒業しました。大学時代には、後にキッコーマンを創業する茂木啓三郎と親友の関係を築いています。その後、1925年には川内電気社長に就任し、企業活動を開始しました。

ビジネスの拡大

上野は、その後も日本水電の副社長や、南国交通、静岡瓦斯、唐津瓦斯、鹿児島油糧、鹿児島自動車配給、南国殖産など数多くの企業で社長としての役割を担いました。また、商工や農商各省委員を歴任し、経済界に影響を及ぼしました。

特に彼は長崎県にも進出し、雲仙市で雲仙小浜自動車を運営し、1936年には長崎自動車会社の設立に寄与しました。これにより、地域交通の発展にも大きく貢献しました。

政治活動

1932年には、鹿児島県の多額納税者として貴族院議員に選出され、1947年までの2期にわたり在任しました。在任中、上野は議会研究会に参加し、政治に関する知識と経験を深めました。戦後の1947年には、参議院議員選挙に鹿児島県地方区から立候補し、当選を果たしました。しかし、すぐに公職追放となり、議員を辞職しました。

地域社会への貢献

1954年、上野は鹿児島商工会議所の会頭に就任し、6期14年間にわたり地域経済の発展に寄与しました。また、同年に鹿児島県公安委員長にも就任し、公共の安全に対する責任を果たしました。1959年には、電気とガス産業の発展に寄与したため、藍綬褒章を受章しました。

私生活と家族

上野喜左衛門は、長男として上野喜一郎（南国殖産社長）、その他兄弟もそれぞれの分野で成功を収めています。彼の姉妹や甥、さらには従兄弟に至るまで、上野家は経済界で広く影響を与えています。彼の伝記『気まま一代：上野喜左衛門伝』は、1975年に発行され、彼の生涯と業績を記録しています。

最後の時

上野は1971年に70歳で亡くなりました。その後、特別な栄誉として位記が追賜され、死去した日付にて正四位勲二等に叙され、瑞宝章も追贈されました。

上野喜左衛門は、そのビジネスや政治活動を通じて日本の経済と社会に多大な影響を与えた人物として歴史に名を刻んでいます。彼の業績は今なお多くの人々に評価され、地域に根付いた企業や組織は彼の功績を物語っています。

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