下沖町

下沖町（しもおきまち）は、群馬県前橋市の一部を構成する町（地名）です。郵便番号は371-0011が設定されており、2013年時点での面積は約0.52平方キロメートルでした。

地理

下沖町は前橋市の広瀬川低地帯に位置しています。地域のおおよそ中央部を桃ノ木川が東に向かって穏やかに流れており、周辺は比較的平坦な地形となっています。

歴史

この地域は古くから「下沖之郷」として知られていました。隣接する上沖之郷と合わせ、「沖之郷」という一つの村であった時期もあったと伝えられています。

江戸時代に入り、慶長6年（1601年）には前橋藩主である酒井重忠の領地の一部として記録されています。しかし、その後の支配は複雑な変遷をたどります。明和4年（1767年）には幕府直轄領、いわゆる天領となり、代官による支配を受けました。次いで天明6年（1786年）には旗本岩本内膳正の知行地へと移ります。慶応元年（1865年）には幕府領岩鼻支配所の管轄下にあったとされますが、当時の記録には一部食い違いも見られるようです。明治維新直前の明治元年（1868年）11月6日には再び前橋藩領に復帰し、そのまま廃藩置県を迎えることになります。

明治時代に入ると行政区画の再編が進みます。明治22年（1889年）4月1日、町村制の施行に伴い、下沖之郷は周辺の11村（上泉、江木、堤、亀泉、堀之下、石関、東片貝、西片貝、幸塚、上沖之郷、荻窪、三俣）と合併し、南勢多郡桂萱村の一部となり、「大字下沖」と名称を改めました。さらに明治29年（1896年）4月1日の郡統合により、桂萱村は勢多郡に所属することになります。そして昭和29年（1954年）4月1日、桂萱村は前橋市へ編入され、現在も前橋市下沖町としてその名が引き継がれています。近年の変化としては、昭和52年（1977年）に町域の一部が三俣町1丁目から3丁目に変更されています。

地名の由来

下沖町という地名は、かつて利根川が現在とは異なる流路をたどり、この地域を流れていた頃に、その川の「沖合」にあたる場所であったことに由来すると考えられています。

交通

町域内に鉄道駅は存在しません。また、幹線道路である国道や県道も下沖町を通過していません。

施設

地域内には、県内の主要な公立高等学校の一つである群馬県立前橋高等学校が立地しています。同校は昭和54年（1979年）6月9日に前橋市文京町からこの地へ新築移転しました。また、旧村社であった若一王子神社が鎮座しています。若一王子神社は、東部土地改良事業の実施に伴い、昭和47年（1972年）に現在地へ移転しています。

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