不退院

授法山上衍寺 不退院

不退院は、愛知県西尾市上道目記町に位置する浄土宗西山深草派の寺院です。山号は授法山と称し、授法山上衍寺（じゅほうざんじょうえんじ）不退院とも呼ばれています。

歴史

不退院の歴史は、応永8年（1401年）に悦山暢喜上人を開山として、徳永城主・徳永小七郎義雄が一宇を草創したことに始まります。悦山暢喜上人は、応永初期にこの地を訪れた際、法蔵寺の龍芸上人の教えを受け弟子となった高僧です。義雄は応永18年（1411年）4月23日に亡くなり、当寺に葬られました。

不退院のある道目記周辺は、15世紀後半から16世紀後半にかけて道目記の戦いが数度繰り広げられた場所です。道目記は豊かな米の産地であり、その地権を巡る争いが頻繁に発生しました。この戦いで命を落とした武将たちの墓は大将塚として祀られ、また、無名の戦士たちの墓も不退院の墓所から少し離れた場所にひっそりと佇んでいます。

その後、不退院は徳川家の管轄する寺領となり、争いは収束しました。徳川家の庇護を深く受けるようになり、不退院の住職はその後数代にわたり徳川家の家臣の家柄の者が務めることとなりました。正親町天皇の元亀3年（1572年）には、当時の住職であった6世本翁意伯（鳥居忠吉の子）が勅願により参内し、曼荼羅を講筵し「上衍寺」の勅額を賜りました。

永禄10年（1567年）9月29日に没した荒川城（八ツ面城）主・荒川義広、そして文禄2年（1593年）5月2日に没したその妻である市場姫（徳川家康の異母妹）の墓も当寺にあります。7世頓翁意傅の代である慶長7年（1602年）には、徳川家康より寺領13石5斗の寄進を受け、御朱印寺として寺紋に三つ葉葵の紋を授かりました。

所在地

愛知県西尾市上道目記町中屋敷11番地

交通手段

名鉄西尾線 西尾駅から一色方面へ約4キロ
名鉄西尾線 福地駅から徒歩で約20分

関連項目

三河十二本寺

外部リンク

授法山上衍寺 不退院

もう一度検索