斗

斗（と）という体積単位の歴史と定義

斗（と）は、尺貫法に基づく体積の単位として日本と中国で使用されており、その容量はそれぞれ異なります。特に日本では、古くから米などの物品の計量に利用されてきました。安定した規格として、明治時代に1升を約1.8039リットルと定義し、1斗はその約10倍、つまり約18.039リットルになります。これに対し、中国では伝統的に1升を1リットルとし、したがって1斗は10リットルとされていました。中国においては、近代においてはこの単位はあまり実用的に用いられていませんが、デカリットル（daL）が「公斗」と呼ばれ、一部の都市制度において「市斗」が同じ容量として利用されていました。時代が進むにつれて、斗の容積は増加し続けており、周代には1.94リットル、秦代には3.43リットルと変遷してきました。後漢時代には再び減少して1.98リットルに戻りますが、その後の魏や西晋では2.02リットルに増加、隋や唐時代で5.94リットル、明代では10.74リットルとなり、ほぼ現代と同じ容量に達しました。

日本において、斗を基準とする容器として有名なのは「一斗缶」と呼ばれるブリキ製の缶です。これは約1斗に相当する容積を持つ直方体形状で、かつては多くの場面で使用されていました。第二次世界大戦後は、「五ガロン缶」（5 USG=18.93リットル）という名称が一般に浸透しましたが、現在では「18リットル缶」が正式名称として広く認知されています。このような缶は、主に灯油などの液体を運ぶために利用されるもので、ポリタンクなどのプラスチック製の容器も一斗缶の代替品として開発されました。ポリタンクはその容量が1斗と同じく18リットルか、若干多い20リットルであることが一般的です。

このように、斗は日本と中国でそれぞれ異なる特性を持つ単位であり、歴史的な経緯を感じさせる容積単位として、今なお多くの場面で利用されています。

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