世界 (タロット)

タロットカード「世界」について

「世界」とは、タロットの大アルカナに位置する重要なカードであり、宇宙や完璧な状態を象徴しています。このカードは通常、21番目に位置し、その前には20番目の「審判」があります。タロットの歴史の中で、数少ない解釈が存在し、異なるバージョンでは「世界」を22番目のカードとして扱うこともあります。

カードの意味

「世界」カードの正位置は成就、完遂、完全性などを表しています。目的を達成し、すべてが調和した状態を象徴することから、勝利や完璧な結果を暗示します。一方、逆位置は衰退や未完成を示し、何らかの調和が欠けている状態を指摘します。このように、「世界」は成功の究極的象徴と見なされることが多いのです。

アーサー・エドワード・ウェイトの解釈

ウェイトの解釈によれば、「世界」は完成と成功、そして旅の終わりを示します。このカードは、自己成就を経た後の新たなスタートをも示唆するものとして、多くの解釈家に重視されています。

カバラとの関係

「世界」は、ヘブライ文字のタヴ（ת）に関連しています。このカードは「黄金の夜明け団」の教えでは、イェソドとマルクトのセフィラを結ぶ重要なアーキタイプとされています。これは、物質界と精神界をつなぐ象徴とも言えます。

占星術的関連

このカードは、さまざまな星座や惑星に結びつけられることがあります。金牛宮や巨蟹宮、獅子宮、天蠍宮、双魚宮などに由来する異説が存在し、惑星では太陽、木星、土星などが関連付けられます。また、これらの要素は「地の元素」として扱われることもあります。

寓話的解釈

「世界」は大アルカナの最後のカードとして、他のカードと比較して非常に重要な役割を果たします。特に、月桂樹の輪に囲まれた人物が描かれ、この人物の周りには天使や動物などの象徴が取り囲みます。これらの要素は、「風」、「水」、「大地」、「火」を表し、それぞれが調和して存在することを示唆しています。

女性の象徴

タロットカードにおける中心人物は、女性として描かれることが多く、この解釈は中世から続いています。多くの場合、この女性は運命の女神であるフォルトゥーナと関連付けられることもあります。

男性と聖典の象徴

一方で、このカードに描かれる天使や動物たちは、福音書の象徴として解釈されることもあります。「天使」は聖マタイ、「鷲」は聖ヨハネ、「牛」は聖ルカ、「ライオン」は聖マルコをそれぞれ表すとも言われています。この4つは、中心の人物を見守る存在として描かれます。

両性具有説

このカードの人物は、両性を持つ完全な存在と解釈されることもあります。彼または彼女は、男性性と女性性の調和を体現していると考えられるのです。人物の周囲に描かれる植物は、生命の源を象徴し、彼らの存在が調和をもたらす様を示しています。

最終的に、「世界」は終わりでありながら始まりでもあると解釈されており、すべての事柄が輪廻を経て続いていく重要な例えとされます。このカードは、タロットの中でも特に深い意義を持ち、多くの人々に影響を与え続けています。

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