世界の自動車

世界の自動車

「世界の自動車」は、1970年代に二玄社が刊行した、自動車メーカーやブランドに関する全集です。このシリーズは『カーグラフィックライブラリー』として知られ、自動車の誕生から当時までの歴史を詳しく紹介しています。全60巻の刊行が予定されていましたが、実際には予定通りには進まず、いくつかの巻が未刊行となりました。

概要

この全集はA5判サイズで、各巻は約100～130ページのボリュームを持っています。その内容は法律や経済の話ではなく、メーカーやブランドの歴史を豊富な図版や白黒写真とともに、技術や著名な人物に関する緻密な記述を交えて紹介しています。編集委員としては小林彰太郎、高島鎮雄、五十嵐平達が名を連ねており、当時としては非常に意欲的なプロジェクトでした。

現在でも一部の大型書店では、特定の巻を手に入れることができる場合がありますので、自動車に興味がある方は是非探してみてください。

刊行された巻のリスト

以下に、刊行が確認されている巻をいくつか挙げます：

• - 第2巻：メルセデス・ベンツ 戦前 (高島鎮雄編著)
• - 第3巻：メルセデス・ベンツ 戦後 (高島鎮雄編)
• - 第4巻：オペル/ドイツ・フォード (青山順編著)
• - 第5巻：ポルシェ (小林彰太郎編著)
• - 第8巻：シトローエン (大川悠編著)
• - 第9巻：パナール/プジョー (高島鎮雄編著)
• - 第10巻：ルノー (高島鎮雄編著)
• - 第12巻：アストンマーティン/アルヴィス/インヴィクタ (小林彰太郎編著)
• - 第33巻：トヨタ (五十嵐平達編著)

ちょうど日本車の特集が含まれている巻もあり、戦後の日本車をテーマにした巻も出ています。特に、第35巻にはマツダ、ホンダなど、日本の主要な自動車メーカーが取り上げられています。

SUPER CGとの関連

このシリーズの中断に関連して、1989年に創刊された季刊誌「SUPER CG」も注目されます。編集長の高島鎮雄は、この雑誌が「世界の自動車」シリーズの補填であると述べていましたが、この雑誌も発行回数の変更や長期の休刊に見舞われ、2007年には廃刊となりました。

「世界の自動車」は、その独自性と深い内容で、今でも自動車とその歴史を学ぶための貴重な資料として知られています。自動車愛好家にとっては、必見のシリーズです。

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