世界タッグ王座

世界タッグ王座とは

世界タッグ王座（せかいタッグおうざ）は、全日本プロレスの管理の下、PWF（プロレスリング・フィルム・フェデレーション）によって認定されているタッグチャンピオンシップです。この王座は、全日本プロレスにおける最高峰のタッグタイトルとしての地位を確立しており、その重要性は計り知れません。

概要

この王座は、PWF世界タッグ王座とインターナショナル・タッグ王座が統一されて誕生しました。1988年6月10日、インターナショナル・タッグ王者のロード・ウォリアーズと、PWF世界タッグ王者のジャンボ鶴田と谷津嘉章による試合が行われ、五輪コンビが反則勝ちする結果となりました。この試合の数日後、ジャイアント馬場がNWA（ナショナル・レスリング・アライアンス）とPWFの両方から了承を受け、新たに五輪コンビを初代の世界タッグ王者として発表しました。当初はNWAの認可のもとに成立しましたが、全日本プロレスがNWAから脱退して以来、この王座はPWFのみの認定となり、現在に至っています。

変遷と慣例

1988年から1994年までの間は、年末に行われる世界最強タッグ決定リーグ戦が近づくと、現王者たちがベルトを返上し、リーグ戦での優勝者が新王者となる形式が採用されていました。しかし、1995年以降はこの慣行は廃止されました。興味深い点として、ベルト返上後に最強タッグリーグで再び王座を獲得したケースが過去に4回あることが挙げられます。

チャンピオンベルトの扱い

三冠ヘビー級王座が一本化の過程を経る一方で、世界タッグ王座は現在も二本のベルトを使用しています。このことは、王座が持つ伝統の深さを物語っています。

歴代王者と記録

この王座の歴代王者の中で特に注目すべき記録があります。最多戴冠者は川田利明であり、彼は9回王者に輝いています。また、最多連続防衛回数はジャンボ鶴田＆谷津嘉章の7回であり、最多通算防衛回数は諏訪魔＆石川修司の12回です。他にも年齢による記録として、最年長戴冠の天龍源一郎が51歳5か月での戴冠、最年少の本田竜輝が22歳4か月での戴冠が存在します。

ベルト返還請求訴訟

2004年に、選手の永田裕志とケンドー・カシンが世界タッグ王座を獲得した後、カシンの行動が問題視されることになりました。彼は王座獲得後、試合を行わず、半年間防衛戦を行わなかったため、全日本プロレスは王座を剥奪しましたが、カシンはベルトを返還しなかったのです。この一連の騒動により、全日本プロレスは訴訟を起こすことになりました。

公判と証拠

東京地裁での初公判では、全日本プロレスの契約が口約束に基づくものであることが問題視されました。また、王者に対するベルトの所有権についての議論が繰り広げられましたが、カシン側がリング上で決着を希望したため、簡単に決着がつくことはありませんでした。結局、2006年4月にカシンはベルトを返還しましたが、全日本プロレスは公式にその旨を発表しませんでした。

結論

このように、世界タッグ王座は全日本プロレスにおいて深い歴史と数々のエピソードを持つ重要なタイトルです。その名誉にふさわしい選手たちによる激闘の記録は、今後も多くのファンに語り継がれていくことでしょう。

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