世界名作ものがたり

『世界名作ものがたり』は、1981年4月15日から9月23日まで、毎週水曜19時30分から20時まで、テレビ東京系列で放送された人形劇アニメーションです。全24話で構成され、数々の賞を受賞した学研映画世界名作シリーズの作品を原作に、日本の民話や世界各国の童話を、魅力的な人形アニメーションで紹介しました。

番組の構成は、物語の導入を担う「おはなしおねえさん」の解説パートと、人形アニメーションによる物語本編で構成されています。「おはなしおねえさん」は、中井貴恵さんが務めました。アニメーション制作は、吉岡秀人氏と学習研究社（学研）が担当し、番組制作は東京12チャンネルとイースタンメディアが共同で行いました。

放送当時、競合番組としてNHK総合の『連想ゲーム』やテレビ朝日系列の『水曜スペシャル』が放送されていたため、視聴率は伸び悩みました。しかし、その後、テレビ東京で幾度か再放送されたことで人気を博し、高い評価を得ることになります。1990年には、テレビ神奈川でも一部エピソードが再放送されました。

放送された作品は、世界的に有名な童話や日本の昔話からセレクトされています。『ベルとかいじゅう王子』、『マッチ売りの少女』、『みにくいアヒルの子』、『おやゆび姫』、『人魚姫』、『舌きり雀』、『雪の女王』、『鶴の恩返し』、『ポロンギター』、『彦一とんちばなし』、『王様とナイチンゲール』、『猿蟹合戦』、『かぐや姫』、『わらしべ長者』、『不思議な井戸』、『海彦山彦』、『昔むかし桃太郎』、『アリとキリギリス』、『泣いた赤鬼』、『おむすびころりん』、『かむとり権兵衛』、『花とモグラ』、『靴屋と小人』、『北風と太陽』など、幅広い作品が取り上げられました。

番組の音楽も魅力の一つです。オープニングテーマ「メリーゴーランド・ドリーム」とエンディングテーマ「しあわせの住む町」は、作詞・作曲を山本正之氏、編曲を高田弘氏、歌を小山茉美氏が担当し、ビクターレコードからレコードも発売されました。

技術的な面では、番組の解説部分はスタジオでのVTR撮影、物語本編は16ミリカラーフィルムによるフィルム製作、スタッフテロップはVTR上でのテロップという、当時としては高度な技術を駆使した制作手法が用いられました。放送マザーは、パック化された1インチCタイプVTRでした。

『世界名作ものがたり』は、放送期間こそ短かったものの、その後の再放送や、視聴者からの高い評価によって、日本のアニメーション史、特に人形劇アニメーションの歴史において重要な位置を占める作品と言えるでしょう。本番組を最後に、テレビ東京の水曜19時台後半枠の子供向け番組は一旦中断されました。再開は1983年4月、『サイボットロボッチ』が木曜19時枠に移動してからとなります。また、東宝チャンピオンまつりでも、本作の一部が上映されたことがあります。類似番組としては『世界名作劇場』、『まんが日本昔ばなし』、『まんが世界昔ばなし』などが挙げられます。

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