世界名作童話 おやゆび姫

世界名作童話 おやゆび姫

『世界名作童話 おやゆび姫』は、1978年3月18日に公開されたアニメーション映画で、製作は東映動画が手掛けたものです。この映画は、ハンス・クリスチャン・アンデルセンが原作の童話『親指姫』を基にしており、全体の長さは64分です。映画のキャッチコピーは「ちいさなちいさなおやゆび姫の大きな旅」で、物語のテーマを表現しています。

概要

本作は、東映が制作したアンデルセン作品の中で4作目にあたります。その前には、1968年の『アンデルセン物語』、1975年の『にんぎょ姫』、1977年の『白鳥の王子』がありました。キャラクターデザインは著名な漫画家である手塚治虫が担当しており、彼が東映作品に関わるのは1963年に公開された『わんわん忠臣蔵』以来15年ぶりのことです。また、手塚氏の推薦を受けて、元虫プロダクション所属の中村和子が作画監督補佐を務めました。

当時、この映画は『まんがまつり初めてのオール新作大行進！』というフレーズでプロモーションが展開されましたが、実際には『ダンガードA』などのTV版も含まれており、全てが新作ではありませんでした。

声の出演

本作の声優陣も豪華で、主役の親指姫は杉山佳寿子が演じています。その他にも、ブンブー役は宮城まり子、ナレーター及びゲコオ役に岸田今日子、チュミ役には野沢雅子が名を連ねています。キャラクター達の声を通じて、物語に彩りが加わっています。

スタッフ

このアニメーション映画は、製作総指揮を今田智憲が、企画を有賀健と高見義雄が担当しました。脚本は大藪郁子が手掛け、演出は芹川有吾が行いました。美術は福本智雄が担当し、音楽を菊池俊輔が作曲しました。作画監督には木野達児が名を連ねており、幅広い才能を持つスタッフによって支えられています。

挿入歌

映画における挿入歌は全て、作詞が武原悦子、作曲が菊池俊輔によるものです。特に印象的な「ゲコゲコソング」は岸田今日子が歌い、物語の絶妙な雰囲気を引き立てています。さらに「ゆめよいつまでも」は大杉久美子の歌声によって命を吹き込まれました。

推薦と同時上映

この映画は、文部省選定を受けており、日本PTA全国協議会、厚生省中央児童福祉審議会、映倫青少年映画審議会、日本児童文芸家協会などから推薦されています。また、同時上映として『惑星ロボ ダンガードA 宇宙大海戦』や『キャンディ・キャンディ 春の呼び声』などもあり、多様な作品を楽しむことができました。

映像ソフト

この作品は1988年にビデオソフト（VHS）としてリリースされましたが、その後は廃盤となり、現在はDVD化は行われていません。配信などでの視聴は難しいため、当時のアニメーションを鑑賞する貴重な機会が限られています。

本作は、アンデルセンの物語の魅力をアニメーションという形で表現しており、今なお多くのファンに愛されている作品となっています。

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