世界沈没

世界沈没（せかいちんぼつ）

『世界沈没』（原題: End Day）は、2005年にイギリスのBBCが製作したSFモキュメンタリーテレビ映画です。この作品では、地球に迫る様々な滅亡の危機を描いた4つのシナリオが展開され、視聴者に深い印象を与えます。放送日は2005年4月21日で、BBC Threeで初めて公開され、その後ナショナルジオグラフィックでも放送されました。

4つの危機シナリオ

映画では以下の4つの異常事態が人類存続を脅かす様子が描かれています。

1. 巨大津波

大西洋に位置するスペインのラ・パルマ島で発生した地震により、什頭の津波が生成されます。その波は高さ数百メートル、長さ40キロメートルに及び、時速800キロメートルでニューヨークに向かって襲いかかります。この災害に対し、米国の戦闘機が追跡を試みますが、情報を受けた民衆は忽然とした恐怖に包まれ、避難する間もなく津波に飲み込まれる様子が描写されています。

2. 隕石の衝突

次に、中東で発生した未確認の爆発が流星群の接近によるものであることが判明します。この流星群は大型車両から小型山に及ぶ大きさの破片を含み、高速で地球に接触します。イギリス、ドイツ、アメリカは凄まじい速度で近づく彗星に対抗しようと核攻撃を試みますが、結果的に破片は数百に分かれ、ヨーロッパ、特にベルリンに大きな被害をもたらします。崩壊したブランデンブルク門が無残に煙の中に佇む姿は、滅亡の象徴として心に残ります。

3. ウイルスの蔓延

続いて、ロンドンへ到着した飛行機の中で、新型インフルエンザ[[ウイルス]]に感染した乗客が死亡します。このウイルスは驚異的な感染力を持ち、瞬く間にロンドン中に広がります。医療体制は崩壊し、ロックダウンを強化するももはや手遅れとなり、感染は他国へも広がっていきます。街に倒れる人々の姿は、もはや日常の光景となってしまいます。

4. 破局噴火

アメリカ合衆国のワイオミング州では、イエローストーン国立公園の火山が突発的に噴火し、近隣の州を呑み込みます。さまざまな火山ガスが周囲を汚染し、文明は一瞬にして崩壊します。火山灰が北アメリカ大陸を覆い、寿命も尽きるかのように光が遮断され、今後の氷期を予想させる恐ろしい展開が続きます。

5. ブラックホールの生成

最後のシナリオは、科学者たちによる粒子加速器実験の失敗で生じるものです。これによりストレンジレットと呼ばれる物質が生成され、世界の物質がすべて変わり果てます。研究所が崩壊し、降り注ぐこの現象に対抗する手立ては存在せず、地球規模での壊滅を示唆するブラックホールが登場し、物語は閉幕します。

制作背景

本作の監督・脚本は、『GODZILLA ゴジラ』で知られるギャレス・エドワーズが手がけており、視覚的な迫力とともに人類に対する警鐘を鳴らす作品として評価されています。

日本での公開

日本では2007年1月25日にNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンからDVDがレンタル・販売としてリリースされました。なお、日本版DVDには破局噴火のエピソードは収録されていないため、観る際には注意が必要です。

『世界沈没』は、単なるフィクションに留まらず、現代社会が直面するリスクや環境問題に対する警告としても捉えることができます。

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