中北下

中北下（なかきたしも）

中北下は、岡山県の北部、津山市に位置する地域名（大字）です。この地域の郵便番号は709-4603となっています。

地理

地理的には、現在の津山市の南部に広がる旧久米町エリアの北部に位置しており、地域を流れる久米川の北岸に沿って開けています。比較的平坦な地形であり、久米川のほかにも宮部川といった河川が地域内を流れています。この地は、津山市役所の久米支所が置かれるなど、旧久米町域における行政、文化、スポーツの中心的な役割を担っています。

歴史

中北下の歴史は古く、江戸時代初期にまで遡ります。寛永21年（1644年）、それまで一つの村であった中北村が分割され、現在の地名につながる中北下村が誕生しました。これは、当時の村の規模拡大や支配体制の変更に伴うものと考えられます。

明治維新後の近代地方行政制度の確立に伴い、大きな変革期を迎えます。1889年（明治22年）6月1日、町村制が施行されると、久米北条郡に属していた中北下村は、同じ郡内の宮部上村、宮部下村と合併し、新たに大井東村が成立しました。この際、旧中北下村の区域は大字中北下として引き継がれます。

その後、郡の再編が行われます。1900年（明治33年）4月1日には、久米北条郡が久米南条郡と合併し、久米郡が発足。大井東村は久米郡所属となりました。

昭和に入ると、さらなる合併が進みます。1943年（昭和18年）11月3日には、久米郡大井東村が同郡の大倭村と合併し、大東村が誕生。続く1952年（昭和27年）8月1日には、大東村が同じ久米郡の大井西村と合併し、大井町となりました。

そして、1955年（昭和30年）1月1日、久米郡内の大井町、久米村、倭文村が合併し、広域自治体である久米町が成立。中北下は大字として久米町の一部となりました。

平成の大合併を経て、2005年（平成17年）2月28日、久米郡久米町は、苫田郡加茂町・阿波村、勝田郡勝北町とともに津山市に編入されました。これにより、中北下は津山市の一部となり、現在に至っています。

交通

地域内には、主要な幹線道路が通じており、交通の利便性が確保されています。地域を通過する高速道路としては、中国横断自動車道が挙げられます。一般道としては、地域の大動脈である国道181号が通っており、地域内外を結ぶ重要な役割を果たしています。また、地域と周辺を結ぶ岡山県道335号余野上久米線や岡山県道340号河本久米線といった主要地方道・一般県道も地域を走っています。

施設

中北下には、地域の中心地として様々な施設が集まっています。行政機関としては、津山市役所の久米支所が置かれています。文化・スポーツ施設も充実しており、久米市民体育館、久米総合文化運動公園、そして公園内にあるレインボー久米総合文化運動公園市民プールなど、市民の健康増進やレクリエーションの場が提供されています。また、知的好奇心を満たす施設として、津山市久米図書館があります。このほか、農業関連の施設として、晴れの国岡山農業協同組合久米の施設も所在しています。

これらの施設群は、旧久米町域における生活や活動の拠点として、地域住民にとって重要な存在となっています。

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