中原由貴 (格闘家)

中原 由貴

中原 由貴（なかはら よしき）は、1992年10月13日生まれ、広島県尾道市出身の日本の男性総合格闘家です。桜井"マッハ"速人氏が主宰するマッハ道場に所属しています。かつてはGLADIATORフェザー級のベルトを巻いた経験を持ち、PANCRASEでも同階級のトップ戦線で活躍し、ランキング1位に名を連ねた実力者です。

格闘技との出会いとプロへの道

幼少期には野球やバスケットボールに親しみましたが、中学生になる前に柔道を始めます。しかし、高校1年生の頃には前十字靭帯の完全断裂という重傷を負いました。この困難を乗り越えるきっかけとなったのは、総合格闘家の山本“KID”徳郁氏の活躍でした。KID氏への強い憧れから総合格闘技の世界を目指すことを決意し、怪我からの再起を果たします。高校3年生の夏には、地元広島のパラエストラ広島の門を叩きました。

高校卒業後、プロの道を志して上京。かねてより憧れを抱いていた桜井"マッハ"速人氏のマッハ道場に入門します。道場の寮で寝食を共にしながら、プロを目指す日々を送りました。建設業のアルバイトで生活費を稼ぎつつ、厳しい鍛錬に打ち込み、アマチュアのリングでは4戦全勝の戦績を挙げました。

2012年11月24日、Grachan 7でプロ総合格闘家としての一歩を踏み出します。デビュー戦の相手は上迫博仁選手。この試合では、1ラウンドに得意のフロントチョークで一本勝ちを収め、鮮烈なプロデビューを飾りました。

王座獲得と国内主要団体での活躍

プロデビュー後も順調にキャリアを積み重ね、2014年4月20日にはGLADIATORフェザー級王座決定戦に出場。阿仁鬼選手とのタイトルマッチでは、1ラウンドTKO勝利で見事王座を獲得しました。

2015年2月1日、国内主要団体であるパンクラスに初参戦。PANCRASE 264でユータ&ロック選手と対戦しましたが、判定1-2で惜しくも敗戦を喫しました。しかし、この敗戦を糧に、同年11月から2018年12月にかけて7連勝を達成。この快進撃により、パンクラスのフェザー級ランキングで1位にまで上り詰めました。

ONE Championshipへの挑戦

国内での実績が評価され、2019年にはアジア最大の格闘技団体、ONE Championshipと契約します。2019年2月16日のClash of LegendsでONEデビュー戦を迎え、エミリオ・ウルティア選手から3ラウンドにダウンを奪い、パウンドでTKO勝利を収めました。続く2019年5月17日、Enter the Dragonでは、グラップリングの世界王者ゲイリー・トノン選手と対戦。善戦するも、1ラウンドにヒールホールドで一本負けを喫しました。

その後もONEの舞台で戦い、2021年2月26日のFists of Fury 2では、当時12戦無敗だったルスラン・エミベック選手から1ラウンドにカウンターの右フックでダウンを奪い、パウンドによるTKO勝利を飾るなど、その実力を見せつけました。2021年4月7日にはOne on TNT 2でシネチャツガ・ゼルトセトセグ選手と対戦。この試合は相手の反則攻撃（サッカーボールキック）により、中原選手が反則勝ちとなりました。

2022年1月にはONEフェザー級ランキングの5位にランクインしましたが、試合数の少なさやオファーの不透明さ、ファンからの反応の乏しさなど、ONEでの活動に対する不満が募り、契約を更新せず、日本のRIZINへの移籍を決断しました。

RIZINでの新たな戦い

RIZINへの移籍は、年間を通じて試合が多く組まれることや、事前に大会日程がある程度決まっているためコンスタントに試合ができる環境、そして何より、RIZINにはムサエフやケース、グスタボ、ピットブルといった世界トップレベルの強豪選手が集結しており、「日本にいながらこのレベルの選手と戦いたい」という強い思いがあったためでした。

2022年7月31日、RIZIN.37で遂にRIZINデビュー。ZSTフェザー級王者の関鉄矢選手と対戦し、3-0の判定勝ちを収めました（当初は佐々木憂流迦選手との対戦予定でしたが、佐々木選手のコロナ感染により相手が変更されました）。

同年10月23日、RIZIN.39ではGLADIATORフェザー級王者の原口央選手と対戦（当初はヴガール・ケラモフ選手との対戦予定でしたが、ケラモフ選手の負傷欠場により相手が変更）。1ラウンドに得意の肘打ちでダウンを奪い、追撃のパウンドやサッカーボールキックでTKO勝利を収め、RIZINでの連勝を飾りました。

しかし、年末のRIZIN.40（2022年12月31日）では、鈴木千裕選手と対戦。序盤は打撃で優勢に進める場面も見られましたが、1ラウンド終盤に相手の左右の連打を浴び、プロキャリア初のKO負けという苦い経験をしました。

2023年9月24日のRIZIN.44では白川陸斗選手と対戦。2ラウンドにダウンを奪われる展開となりましたが、冷静に組みの展開で試合をコントロールし、3ラウンド判定勝ちを収め、再起を果たしました。

2024年4月29日、RIZIN.46ではSBC・OFCフェザー級2冠王者のビクター・コレスニック選手と対戦。打撃戦で互角に渡り合う場面も見られましたが、僅差の展開で競り負け、0-3の判定負けとなりました。

2025年5月31日、RIZIN WORLD SERIES in KOREA|RIZIN_WORLD_SERIES_in_KOREAではAFC2階級制覇王者のソン・ヨンジェ選手と対戦。序盤は試合を優位に進めましたが、徐々に相手に盛り返され、3ラウンドにバックハンドブローを被弾して動きが鈍ったところに右ストレートを受け、まさかの逆転KO負けを喫しました。

RIZINの舞台で強豪選手たちとの激闘を経験しながら、自身のスタイルを磨き続ける中原由貴選手の今後の活躍に注目が集まります。

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