中吾妻山

中吾妻[[山]]について

中吾妻[[山]]は、福島県耶麻郡猪苗代町に位置する火山であり、磐梯朝日国立公園の一部を形成しています。吾妻連峰を構成する山々の一つとして、その南端に位置し、標高1930.6mを誇ります。山頂には三等三角点「中吾妻」が設置されています。

地形と植生

中吾妻[[山]]の山体は、全体的に緩やかな勾配の斜面で構成されており、火山活動によって形成された原形地形を比較的良く残しています。しかし、山の東西両側には、それぞれ大倉川と中津川による侵食谷が深く刻まれており、火山地形と峡谷地形の境界を明確に示しています。これらの河川は最終的に秋元湖へと注ぎ込みます。

標高1400m以上の南斜面は、オオシラビソやコメツガなどの亜高[[山帯針葉樹林]]に覆われており、山頂まで緑豊かな景観が広がります。一方、1400m未満の標高や峡谷の壁面にはブナ帯林が広がり、豊かな自然環境を育んでいます。

歴史と信仰

中吾妻[[山]]は古くから人々の信仰の対象とされてきました。山の西側中腹には吾妻[[山]]神社が祀られており、修験道の山としても知られていました。かつては山頂に至る道や、中吾妻[[山]]北側鞍部を越える道、吾妻[[山]]神社から県境の縦走路へ至る道がありましたが、現在はほぼ完全に消滅しています。そのため、山頂へ至る明確な登山道は存在しません。

谷地平湿原

中吾妻[[山]]の東側には、谷地平湿原（やちだいらしつげん）が広がっています。この湿原は、継森、東大巓、昭元山、烏帽子山、家形山、東吾妻[[山]]といった周囲の山々に囲まれており、標高約1504m、面積約30haの広大な湿地帯です。

湿原内には、池塘や浮島が点在し、特有の景観を形成しています。地質調査の結果、湿原を構成する泥炭層の下位には湖成堆積物の粘土層が見られ、かつてこの場所が湖であったことが示唆されています。湿原内には木道が整備されており、登山者が安全に散策できるようになっています。また、近くには無人の谷地平避難小屋（10人程度収容）が設置されています。

谷地平湿原へのアクセスは、一般的には浄土平から姥ヶ原を経由して下るか、県境の縦走路から大倉新道を経て下るルートが利用されます。しかし、これらのルートはいずれも悪路であり、沢の渡渉も必要となるため、注意が必要です。

参考文献

『角川日本地名大辞典』7 福島県、(1981)、角川書店

関連項目

磐梯朝日国立公園
吾妻[[山]]
東吾妻[[山]]
西吾妻[[山]]
恵日寺 (福島県磐梯町)

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