秋元湖

秋元湖：磐梯山の噴火が創り出した美しい堰止湖

福島県耶麻郡北塩原村と猪苗代町にまたがる秋元湖は、桧原湖、小野川[[湖]]とともに「裏磐梯三湖」を形成する湖です。その誕生は、明治21年（1888年）に起きた磐梯山の噴火に遡ります。大規模な水蒸気爆発と山体崩壊により、大量の土砂が流れ出し、周辺の集落を壊滅させたこの噴火によって、長瀬川や小野川などの河川が堰き止められ、大小様々な湖沼が誕生しました。秋元湖も、大倉川と中津川が堰き止められて形成された堰止湖の一つです。裏磐梯三湖の中では最も深く、面積は桧原湖に次いで2番目に大きさを誇ります。

雄大な自然と多様な観光資源

秋元湖は、磐梯朝日国立公園に指定されており、四季折々の美しい自然景観を楽しむことができます。特に紅葉の季節は、鮮やかな紅葉が湖面に映り込み、息を呑むような絶景が広がります。そのため、紅葉シーズンには国道459号が渋滞するほど、多くの観光客が訪れます。また、早朝には日の出を撮影しようと多くの写真愛好家が訪れ、静寂の中に広がる幻想的な光景をカメラに収めています。

湖ではボートのレンタルも可能で、湖上からの景色を楽しむことができます。釣りも盛んで、近年はコクチバス（スモールマウスバス）が増加傾向にあるものの、ニジマスやその他の魚も生息しています。湖岸にはサイクリングロードも整備されており、周辺の中津川渓谷などへの散策も楽しむことができます。キャンプ場や宿泊施設も充実しており、アウトドアを満喫できる環境が整っています。アクセスは、磐越自動車道猪苗代磐梯高原インターチェンジから車で約1時間程度です。公共交通機関ではJR猪苗代駅または喜多方駅からバスを利用できます。

ダムとしての役割と多目的ダム化

秋元湖は天然の湖ですが、水力発電のためにダムが建設されており、人造[[湖]]としての側面も持っています。阿賀野川水系は水量が豊富で急流であることから、古くから水力発電の開発が盛んに行われてきました。秋元湖では、昭和12年（1937年）に小野川発電所が建設され、昭和15年（1940年）には秋元発電所が完成しました。秋元発電所の建設にあたっては、発電容量を確保するため、アースダムが築造され、湖の貯水量が増加されました。

しかし、平成元年（1989年）8月の集中豪雨では、秋元湖は異常増水し、流域に大きな被害をもたらしました。この経験を踏まえ、福島県は裏磐梯三湖の治水対策として、洪水調節機能を備えた多目的ダム化事業に着手しました。自然環境保護の観点から堤防建設などが困難なため、各湖に洪水調節容量を持たせるダムの建設が行われました。秋元湖には、既存のアースダムに加え、非常用洪水吐を備えた重力式コンクリートダムが新設され、コンバインダムとなりました。これにより、秋元湖は治水と水力発電の両面で重要な役割を果たすようになりました。現在、水位調節は福島県喜多方建設事務所が直接行っています。

秋元湖へのアクセス

車の場合：磐越自動車道猪苗代磐梯高原ICから国道115号、国道459号経由で約1時間。
公共交通機関の場合：JR磐越西線猪苗代駅または喜多方駅から磐梯東都バスの裏磐梯方面行き乗車、「秋元湖入口」下車後徒歩。

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