中和郡

中和郡について

中和郡（チュンファぐん）は、朝鮮民主主義人民共和国の首都平壌の近くに位置するとても重要な地域です。のちに黄海北道に編入された中和郡は、以前は平壌直轄市に属していました。総面積は232.4平方キロメートルで、1990年時点で推定13万4000人が居住しているとされます。

地理

中和郡は、平壌直轄市に加わっていた時期には南側に位置し、東西に細長い形態をしています。その地形は主に平坦であり、郡域全体が平壌準平原に属しています。特に東部には、馬場山（340m）、無等山（240m）、青龍山（195m）といった特徴的な山々があります。また、郡内には昆陽江と戊辰川という2つの主要な川が流れていて、この自然環境は農業活動に重要な役割を果たしています。併せて、明月貯水池や馬場貯水池といった重要な農業用施設も存在します。

歴史

中和郡の歴史は古く、高句麗時代に「加火押」という名称で登場したことに始まり、統一新羅時代には漢州の一部として位置づけられました。高麗時代には唐嶽県が設置され、1322年には中和郡に昇格しました。その後、1592年に文禄の役での戦功により、都護府に昇格しました。

近世に入ると、1895年には平壌府に、1896年には平安南道に属するようになります。日本による韓国併合中に行われた1914年の大規模な行政区画の再編では、近隣の祥原郡が編入され、郡内は15の面で構成され、一部は後に再編成されました。1947年には隣接の大同郡からいくつかの面を編入し、さらに1952年には北朝鮮の行政区画再編の影響を受け、現在の中和郡を成立させることとなりました。

産業

この地域は農業が主産業であり、特にコメ、トウモロコシ、マメなどの雑穀類が生産されています。また、タバコや綿花、果物の栽培も盛んで、地域の経済を支えています。

交通

中和郡は平壌の南に位置しているため、鉄道や道路といった交通網が発展しています。具体的には、平釜線という重要な鉄道が通り、平壌と元山を結ぶ高速道路や一級道路が利用可能です。地域内にもいくつかの二級道路が設置されており、交通の便は良好です。

出身人物

中和郡は多くの著名な人物を輩出しています。たとえば、1902年生まれのカトリック大司教・盧基南や1921年生まれのカトリック司教・池学淳などがその代表です。

まとめ

中和郡はその豊かな歴史と立地から、北朝鮮において重要な役割を果たしている地域です。平坦な地形の中で農業が栄え、交通の要所としても機能しており、その魅力は多方面にわたります。

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