中国標準時

中国標準時（CST）とは

中国標準時（CST）は、中華人民共和国で使用されている標準時です。別名として北京時間や中原標準時間とも呼ばれます。これは、北京が位置する東経120度線における地方時を基準にしているためです。

協定世界時（UTC）との時差は+8時間であり、UTC+8と表記されます。つまり、日本時間とは1時間の時差があります。

概要

中国の国土は東西に長く広がっていますが、全土で同じ標準時が採用されています。これにより、中国の東端では午前11時頃に太陽が南中する一方、西端では午後3時頃に南中するという現象が見られます。

また、中国と隣接する地域では、UTC+4:30（アフガニスタン）からUTC+10（ロシアの一部：ウラジオストク時間）まで、幅広いタイムゾーンが用いられています。特にアフガニスタンとは3時間30分もの時差が生じることになります。

歴史

清朝時代の光緒28年（1902年）に、東経120度の地方時が「海岸時」として初めて制定されました。その後、1912年には北京の中央気象台によって、全国が以下の5つの時間帯に区分されました。

崑崙時区 (UTC+5:30) - 新疆ウイグル自治区西部とチベット自治区の一部
新蔵時区 (UTC+6) - 新疆ウイグル自治区とチベット自治区
隴蜀時区 (UTC+7) - 中国中部（甘粛省、陝西省、四川省、雲南省など）
中原標準時区 (UTC+8) - 中国海岸部（北京、大連、青島、上海、南京、広州など）
長白時区 (UTC+8:30) - 中国東北部（ハルビンなど）

1932年には満洲国が日本の西部標準時と同じUTC+8を「満洲時間」として採用しましたが、1937年には日本の中央標準時と同じUTC+9に変更されました。

1939年、中華民国内政部によって開催された標準時間会議で、1912年に定められた時間帯が中華民国の標準時間帯として正式に承認されました。その後、1949年に中華人民共和国が成立すると、中原標準時間は「北京時間」と改称され、全国で使用されるようになりました。一方で、台湾（中華民国）では「中原標準時間」の名称が維持されていますが、台湾標準時、台北時間、国家標準時間とも呼ばれています。

IANAのTime Zone Database

IANA（Internet Assigned Numbers Authority）のTime Zone Databaseには、中国の標準時として以下の4つの時間帯が登録されています。

Asia/Shanghai
Asia/Urumqi
Asia/Kashgar
Asia/Hong_Kong

関連事項

中国の標準時の歴史
UTC+8
平壌時間
日本標準時
韓国標準時
* 新疆時間

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